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能見、岩田と阪神エースの座を競う、大黒柱・安藤雄也の存在感
2010年02月08日 (月) | 編集 |
                 氏原英明 = 文  


2月1日、プロ野球12球団の春季キャンプが一斉にスタートした。

キャンプ序盤の見どころは新戦力の動向である。
新入団選手、特に新人選手の力量がどれほどのレベルにあるのか、
メディアやファンはこぞって注目する。

今年は埼玉西武ライオンズの高卒新人・雄星が注目の的となっている。
2年前の中田翔、3年前の田中将大など、
その年の目玉に注目するのが今のスポーツメディアの風潮である。
個人的には雄星は焦らずじっくり育ててほしいと願っているが、
渡辺久信監督が
「(南郷に)連れて行かなかったら、みなさんが大変じゃないですか?」
とコメントしたように、
目玉選手にとってこの時期の報道過多はどうしても避けられない。


~新人のキャンプ不参加となった楽天と横浜のチーム事情~

今年のキャンプの一軍参加メンバーの顔ぶれを見ていると、
新人選手の数が多いように思えた。
これも、「雄星効果」と結び付けて考えていたが、実際、
トータルで見ると昨年とさほど変わりはない。
ただ、各チーム間での増減が激しく、
チーム事情が反映されているのがみて取れる。

たとえば、昨年の楽天は井坂、藤原、井上の新人3選手が
一軍キャンプに参加していたのに対し、今年はひとりもいない。
これは野村前監督とブラウン監督の違いと読み取っていい。

育成を重視するブラウン監督は広島時代、
戦力になってもおかしくなかった1年目の前田健太を、
1年間一軍マウンドに上げなかった指揮官である。
それが2年目以降の前田健の活躍を促したし、
今や彼は立派なローテーションピッチャーに成長した。

 このほかで目につくのは横浜。

昨年の5人から今年は一軍にひとりも抜擢していない。
昨シーズン後に、FAやトレードを2度実践したチーム事情から、
方針が「育成」よりレギュラー陣による「強化」を重視したものに
なっていることがうかがえる。
キャンプではチームの基盤を固めたいのだ。
去年のキャンプで一軍だった2年目の5人のうち4人は
今年も一軍キャンプに選ばれているし、
このほかにも、4年目の梶谷隆幸や高森勇気ら伸び盛りの若手も
メンバー入り。
生え抜きの中堅やベテラン、移籍組、若手と入り混じって
チーム強化に動いている。
いかに横浜が変貌できるのか、このキャンプでの注目の一つだ。


~昨季不振の安藤に代わる阪神の新エースは現れるか~  

しかし、新人選手の動向だけがキャンプの楽しみではない。
チームの骨格を指し示す、「エース」や
昨年まで固定されていたポジションに「空き」が出れば、
その争奪戦もキャンプの面白みとして存在してくる。

そこで、注目しているのが昨シーズン4位に沈んだ
阪神の「エース」争いだ。

昨年までは安藤優也がエースといわれ続けてきたが、
結局8勝12敗と低迷し、
勝負どころの終盤でもヤクルトのエース・石川雅規に投げ負けた。
一方で、能見篤史、岩田稔といった中堅の二人が台頭。
能見はチーム最多の13勝を挙げたし、岩田は数字こそ
残せなかったものの、
安定したピッチングと勝負強さはエースに推したいくらいの
活躍ぶりだった。

安藤は昨年の秋季キャンプで罰則として頭を丸めてみせている。

金本との約束だったとはいえ、
その姿はエースとしての存在感の失墜を周囲に
感じさせるに十分だった。
本人はシーズン反省の意味を込めたかったのだろうが、
見ている方は一抹の寂しさを覚えた。

その光景は、阪神のエースが誰なのか、
白紙に戻したようなものだった。


~能見、岩田の活躍は安藤という大黒柱があってこそ~

だが、そこで安藤の存在を簡単に否定して良いのだろうか、
とも思うのだ。
去年の活躍だけで考えればエースは能見でいいと判断できるが……。


~「エース」という看板の交替時期は、
 果たしてどうあるべきなのだろうか?~


野球評論家で元阪神の湯舟敏郎氏が、以前、
こんな話をしていた。

「確かに安藤は自分のボールが思うように投げられない中、
 不本意なシーズンを送ったと思います。
 しかし、その安藤を除外して考えてよいのかというと、そうでない。
 昨年に限っていえば、安藤あっての
 能見・岩田の活躍だったと思いますよ」

昨年の安藤の結果と能見の成長だけで、
「エース交替」と簡単にはいかないという。
チームの大黒柱という重荷は、
まだ活躍し始めたばかりのふたりにとって大きいということなのだ。
安藤の存在なくして能見や岩田の活躍はありえなかった、
という微妙な指摘といえる。

「藪がFA宣言してメジャーに行った時の井川がそうでした。
 結果的には勝ち星を重ねられたのですが、内容は苦しいものでした。
 見ていても、精神的にはつらそうにみえましたからね」

当時は藪が抜けても、下柳は安定していたし、
安藤も若さを武器に勢いがあった。
JFKも順序は違っていたが、計算が立ちつつある状況だった。 
 

~ 新エース候補の若いふたりも安藤の存在感は無視できない~

今の阪神はそこまで投手陣が厚くない。
新人の二神一人や2年目の蕭一傑をはじめ、
イキのいい若手はたくさん控えているが、経験は不足している。
救援陣も、昨季最多登板のアッチソンが抜け、
藤川球児だけでは心許ない。

このような状況下では、あっさり
「能見がエース」というわけにはいかない。
「能見や岩田がエースになることはあり得ますけど、たとえ、
 そうであっても、ローテーションの中に、
 安藤はいてないとね」とは湯舟氏の言葉である。

世代交代が急務の阪神であるとはいえ、
ことエースに限っては答えを急いではいけない。
優勝するためには安藤の復調が必要不可欠であるし、
安藤を軸に争ってこそ、真のエースが生まれる。
阪神キャンプでは、競った末のエース誕生を求めたい。



【筆者プロフィール 氏原英明氏】

1977年ブラジル生まれ。
奈良大学を卒業後、地方新聞社でのアルバイト勤務を経て、
フリー活動を開始。
高校野球を中心に活動を続けるが、
野球を通じた人間性、人生観を伝え続け、
Numberのほかに野球専門誌で活躍。
WEBの世界でも「人間力×高校野球」(高校野球情報.com)と題した
コラムを連載している。
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