日々様々なスポーツ界での出来事や、気になった記事を取り上げ考えていくブログです。
スポンサーサイト
--年--月--日 (--) | 編集 |
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
山口鉄也、松本哲也らは成功したが、育成枠にはまだ改善の余地がある!?
2009年12月14日 (月) | 編集 |
氏原英明 = 文


今年のセ・リーグ新人王に育成選手出身の松本哲也(巨人)が輝いた。
昨年の山口鉄也(巨人)に続く、育成枠からの2年連続の受賞である。
そして山口は、プロ入り4年目で1億円プレイヤーになった。

新語・流行語にもノミネートされるなど、
世間ではこの育成枠という制度を称賛する声が続発している。
育成枠出身者が2年連続の新人王受賞となれば、
そう言いたくなるのはもっともな話だし、
選手を育成することの重要性を改めて教えてくれた制度といえる。
育成枠を上手く活用した巨人の若手成長率が急速に伸びているのも、
そうした背景が関係しているのだろう。

ただ、だからと言ってこの制度自体が成功かと決めつけるのは、
まだ早計だと思う。
育成選手制度にもまだまだ改善点があることは
意見していかなければならない。


~社会人野球の衰退を補うような制度を期待したのだが~  

2005年に始まった育成選手制度は、規約によると、

<連盟選手権試合出場可能な支配下選手登録の目的達成を目指して
 野球技能の錬成向上およびマナー養成等の野球活動を行うため>

 と定義づけられている。

つまり、この制度はプロ野球の二軍の力にはまだ及ばない
選手を鍛え上げ、育った時には支配下に登録し一人前の戦力として
契約できるのだ……という解釈ができる。

その設立趣旨に関しては非常に意義のあるものだと思っている。

 
社会人野球が衰退の一途をたどる昨今、
セ・パ各チーム70人という限られた支配下登録枠では、
隠れている才能もそのまま消えてしまいかねない。
アマチュアの若い才能を発掘するという面で、
野球界に一石を投じた素晴らしい制度ではないだろうか。  


~育成選手制度が球団側の都合で変質してきている?~

しかし、山口や松本の成功から、少しずつ、
この制度の本来の趣旨にズレが生じてきているのではないか
と思えてきた。

 あるスポーツ紙記者がこんなことを話していた。
「確かこの制度が始まった当初、
 育成選手というのは二軍の選手に育てるための制度だったはず。
 この設立にかかわった方も最初はそうだといってましたけど、
 今はそうじゃなくなっています。
 確実にハードルが上がっている」



~育成枠から支配下登録された15人中9人がすぐ一軍へ~  

山口がそうだったように、彼らは当初の趣旨にあったように
「じっくり育てて二軍で活躍できるレベルになった」として
支配下登録されたのではない。
一軍の戦力として前から目をつけられていて、
二軍に枠が無かっただけの選手なのだ。

事実山口は1年目のシーズン、
イースタンリーグで防御率1点台を残したが、
支配下登録枠に空きがないという理由で、
支配下登録が翌年4月にまでずれ込んでいる。
そして、同月にいきなり一軍昇格も果たしている。
実はこういうケースでの昇格選手は意外と多く、
育成枠から支配下登録された選手の15人中9人が支配下登録後、
まもなく一軍の試合に出場している。

阪神の野原祐也が典型的な例である。
今年の開幕から育成枠1位の選手として二軍戦で常時試合に出場し
大きな戦力になっていたのだが、
なかなか支配下登録にはならなかった。
ところが、登録リミットの7月末、突如支配下登録される。
そして、9月には一軍に登録され、スタメン出場まで果たした。

本来、二軍レベルにまで育ったら
支配下登録されるというものであったはずが、
いつしか一軍の戦力になるまで
支配下登録されなくなったのである。

ここに育成選手制度の問題点があるような気がしてならない。  


~育成」と言いながら猶予期間が3年しかないのは厳しすぎ?~  

 もうひとつ難しい問題もある。

規約によると育成選手は3年の契約期間内で
支配下登録を締結できなければ、
自由契約選手となることが決められている。

再契約はもちろん可能で、今年、
ソフトバンクの山田大樹が再契約を勝ち取っているのだが、
3年の契約期間内で、と決められているところに疑問を
感じてしまう。

新人の育成選手というのは
ドラフトで支配下選手として選択されなかった選手である。
言い換えれば、支配下のドラフトで選ばれた選手より、
実力が劣ると判断されているわけだ。
新入団の選手が一軍に定着するまで、
大卒では2、3年、高校卒だと4、5年かかるというのが常である。

それにもかかわらず、レベルがそれほど高くないと判断された
育成枠出身の選手に実質的に3年間で一軍の戦力になれ、
というのは酷すぎる話ではないだろうか? 
この3年以内に結果を残さなければいけないという事実は、
まだ10代、もしくは20代前半で人生を歩き出したばかりの
選手にとって過酷な条件であるのは間違いない。
勿論、プロなのだから厳しいのはしょうがない……
という考えも理解しての意見である。  


~育成枠は、夢を追う若い選手と球団のどちらに有利なのか?~  

現時点で育成枠を活用し、成功しているのは巨人だけといっていい。
巨人にしてもその成功裏にあるものは、
来シーズンの育成枠を含む選手登録を84人も抱え
育成していけるだけの資金面・環境面の充実があるからだ。  


~全球団が巨人ほど大量の育成枠選手を抱えることが
 できるとは到底思えない~  


ただ若い世代の選手達は育成枠であれ「プロに入りたい」と、
入団を望んでくる傾向にはある。
だからこそ、たとえ育成枠で多くの選手を抱えるにしても、
彼ら若い選手の一度しかない人生が使い捨てにならないよう、
より慎重に扱ってほしいと切に願っているだけである。

山口や松本の成功の陰で、
育成選手制度に光が当たってきたが、まだまだ課題は山積だ。  



【筆者プロフィール 氏原英明】

1977年ブラジル生まれ。
奈良大学を卒業後、地方新聞社でのアルバイト勤務を経て、
フリー活動を開始。
高校野球を中心に活動を続けるが、
野球を通じた人間性、人生観を伝え続け、
Numberのほかに野球専門誌で活躍。
WEBの世界でも「人間力×高校野球」(高校野球情報.com)
と題したコラムを連載している。
スポンサーサイト
コメント
この記事へのコメント
こんばんわお邪魔します。

育成選手について非常の考えさせられる記事ですね。
確かに実力が2軍以下で入った選手に2軍選手より
早く結果を出せというのはハードルが高すぎる話だと思います。

後、巨人だけが資金に余裕がある為
多くの育成選手を抱えられて有利というのは少し賛同しかねますね。
理由としては巨人ほどでないにしろ、他のいくつかの球団も
あきらかに成績と多額年俸が合っていない選手がおり
その選手年俸を削れば何人かは育成選手を抱えられると思っています。
2009/12/14(Mon) 20:17 | URL  | スポーツ猫 #CwrboUno[ 編集]
同意見です。
『育成選手』というだけで、
このシーズンオフも球団を盛り上げる格好の標的として
取り上げられていますが、
なかなかジャイアンツのように他球団は
うまくいかないと思います。
なんのためのドラフトなのか、2軍なのか、
考えさせられる記事でした。
話題作り・・・?なんて思ってみたり。

スポーツ猫さんが良かったら、
リンク組みませんか?





2009/12/14(Mon) 20:38 | URL  | kuni28 #-[ 編集]
こんばんわ本日2度目のお邪魔します。

相互リンクの件ですが
私の方からもお願いします。
そして今後もよろしくお願いします。
2009/12/14(Mon) 23:58 | URL  | スポーツ猫 #CwrboUno[ 編集]
コメントを投稿
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック