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『人材育成』新戦略、成功までの裏舞台(4)
2009年11月21日 (土) | 編集 |
~育成選手に必要なのは自分の役割を見抜く眼力~

【 松本哲也 】
1984年7月3日、山梨県生まれ。
山梨学院大附属高、専修大を経て'07年、
育成ドラフト3巡目で入団。
昨春キャンプからバットを担ぐような独特の打撃フォームに
坂本のあとを打つことの多い松本も、
育成という「器」がなければプロに入っていたかは疑問だ。  
 


「契約金は無しで年俸240万円という条件も知っていましたが、
 声をかけてもらったんだからと決めました」

プロに入ったら育成も支配下も同じだ。
負けたくない気持ちは人一倍強かった。
だが、それだけでなくチーム事情をしっかり見抜く目も持っていた。

「チームは脚の速い選手を必要としている。
 自分がアピールできるのも脚だ。それはいつも考えていましたね」

スピードある若手を起用して、
チームカラーを変えようとする時期に立ち会っていることを
理解していたのだ。

育成の選手は、まず支配下に入らなければならない。
しかも期限がある。
支配下になっても一軍までは遠く、
レギュラーとなるとさらに遠い。
がむしゃらにやるのももちろんだが、
ただ周りを見ずに進んでも遠回りをする。
なにが求められているのかを理解すること。
育成という「身分」が松本にそうした目を持たせたのかもしれない。

~ダルビッシュに食らいついた松本哲也の闘争心~

もっとも松本が育成にいた期間は短かった。
1年目の春季キャンプで俊足と守備力を買われて支配下に入る。
2年目には一軍に昇格して、3試合だけ出場した
(初打席の走塁で自慢の脚を骨折してしまったが)。
この年から打撃フォームの改造に取り組み、
今年は飛躍的に確実性を増した打撃で
レギュラーポジション争いの先頭に立っている。

「育成で入団したこともあるし、
 1打席だけで骨折して二軍に落ちたこともあって、
 絶対に落ちないぞという気持ちは強いですね。
 育成出身だからこそ怠けたら下がる一方だというのが
 身に染みている」

交流戦では、ダルビッシュ有から2安打して勝利に貢献した。
気持ちの強さを評価する人は多い。

育成の現場を預かる育成部統括ディレクターの松尾英治は
育成選手の闘争心に注目する。

「はい上がろうとする気持ちはやはり強いですね。
 気持ちが前面に出る」

30センチ近く身長の違うダルビッシュに食い下がった
松本の打撃など、闘争心が露骨なくらいに見てとれた。

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