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ライバル物語の続きはプロで
2009年09月29日 (火) | 編集 |
明豊・今宮と常葉橘・庄司が決闘!  

                     氏原英明 = 文
 ライバル――。

その存在だけで、己を高められる相手、好敵手。

日々の練習の力となり、また、
対峙するとなれば負けじ魂を燃やし、
その心が自らを未知なる領域へといざない、
スーパープレーを生みだしてくれる存在。

甲子園という大舞台はスター候補生が大勢集まる場所である。
優れたアスリートであればあるほど、
ハイレベルなライバルたちを目の当たりにして
その心に火がつくことになる。

 反骨心という言葉に置き換えてもいい。

~強大なライバルの存在で成長してきた男、明豊・今宮健太~

今大会でそんな気持ちを糧に戦っている選手とは誰か?
そこで最初に浮かんだのが、
明豊の投手兼遊撃手・今宮健太である。

「自分は特にマスコミから注目されているような選手に
 ライバル心を燃やすタイプなので、
 負けたくないという気持ちは(甲子園にくると)
 どんどん強くなりますね」

今宮は、一人の野球人として、
最高の舞台・甲子園で最高のライバルを相手に
自分を試してみたいという高いプライドを持って大会に臨んでいた。

2回戦の西条との試合では、
相手の剛球投手・秋山拓巳を強く意識し
「相手は注目されている投手。
 彼の得意球ストレートを狙っていきたい」と
試合前から宣言していたほどだ。

そしてもう一人。
その今宮健太にライバル心をむき出しにしていたのが、
常葉橘の投手・庄司隼人であった。

この2人が20日の第1試合で激突。
試合前、
傍から見てもあからさまに分かるほど互いのライバル心は
燃えたぎっていた。

「試合になったらヤバイくらい燃える」男、常葉橘・庄司。
 まずは今宮の言葉。

「新聞や雑誌でも、庄司は凄い球を投げると書いてあった。
 やりたかった選手の一人です。
 ライバル心を持つと力が出る方なので、
 1回戦は島袋(興南)、2回戦は秋山と対戦できて、
 本当に自分は運がいいと思っています。
 この2試合の反省もあるんで、それをいかしたい。  
 チーム全員で……常葉橘を叩きたい」

 一方の庄司。

「地方大会のときから、今宮と対戦したいと思っていた。
 今宮はプロ注目で、僕よりも小さい体なのに、
 149kmを投げて62本のホームランを打っている。
 ライバル心はあります。
 今はそうでもありませんが、試合になったらヤバイくらい燃えると思う」



最初の対決は庄司の四球から始まったのだが……。
 最初の対決は1回表にいきなり訪れる。

投手・庄司が打者・今宮に挑んだが、
四球を与えてしまう。
庄司に力みが先行している。
3回表の第2打席もストレートの四球だった。

試合は1回表に明豊が2点を先制する展開も、
常葉橘は3回裏に5本の長短打を集めて逆転。
4-2とするとともに、
先発した明豊の先発左腕・野口をマウンドから引きずり下ろした。

そして、3回裏途中、今宮がマウンドに上がった。
アップもしていない状態での緊急登板だが、
今宮は3球連続ストレートを投じて7番・稲角を3球三振。
2球目は147㎞、3球目は150kmを計測する圧巻の投球だった。
次打者には151kmも記録した。

4回裏、投手・今宮―打者・庄司の直接対決。
その2球目、今宮のストレートは153kmを計測。
しかし、庄司は打ち返した。左翼前への2点適時打。庄司に軍配。

 6-2で常葉橘がリード。



庄司の心が燃え上がった瞬間――速球が唸りを上げた!
5、7回。投手・庄司―打者・今宮の対決では
今宮が2安打を放ち猛追をかける。
そして9回表。
常葉橘1点リードで無死三塁。今宮が打席に立った。

 庄司に戦う姿勢がありありと出る。初球から140km台後半を連発。

 ストレート、ストレート、ストレート、ストレート、ストレート、ストレート。

 145km、146km、147km、146km、146km、146km。

 小細工なしのストレート一本勝負。

 2-1からファール2球の後、今宮が軽打。右翼前へと運んだ。

 同点タイムリー。



延長12回まで続いた2人の死闘。
9回裏、今度は投手・今宮―打者・庄司の対決。

真っ向勝負を期待した庄司に対し、
今宮は初球フォークから入り、コントロール重視のストレート,
フォークを投げ分け、
最後も抑え気味のストレートでセカンドゴロに打ち取った。
技で今宮が勝った。

11回表2死2塁から投手・庄司―打者・今宮の対決を迎えたが、
この時は庄司の制球が定まらずストレートの四球。

 2人の勝負はここで終わった。

 試合は延長12回表に2点を奪った明豊が、接戦を制した。   


「今までで一番楽しかった」今宮。
「最高の甲子園」庄司。
 試合あとの、2人のコメント。

 今宮は……
「この勝負にチームで勝ったことは先につながる。
 庄司との力勝負には負けたくなかった。
 ライバル心が強いので、打てて良かったと。
 好投手から打てたことはこれから先にもつながるので」
と胸を張った。

153kmを出せたのは庄司によって力を引き出されたから?
という質問にも「それはある」と答え、
「野球をやっていて、今までで一番楽しかった」
と素直に言葉にした。

庄司は……
「ライバル心があったので、
 力勝負したい気持ちがあった。
 たとえそれでホームランを打たれてもいい、と。
 試合には負けてしまったけど、最高のマウンド、
 最高の甲子園……本当にいい勝負ができた。
 今宮は僕のことを知っていたかは分かりませんが、
 これからも今宮にライバル心を抱きながら、
 上のレベルに行って、もう一度勝負したい」


2人のライバル・ストーリーは、プロ野球で再開される!
強烈なライバル心を抱きながら激突した2人の物語。
'98年夏、松坂大輔と杉内俊哉が投げ合って
今日の活躍があるように、彼らもまた、
ここでの対決を境に大きく成長を遂げてくれるものと期待したい。

今日の対戦は彼らの野球人生にとって、序章に過ぎない。
野球を続ける限り、彼らのライバル・ストーリーは永遠に続いていく――。




≪筆者プロフィール 氏原英明≫

1977年ブラジル生まれ。
奈良大学を卒業後、地方新聞社でのアルバイト勤務を経て、
フリー活動を開始。
高校野球を中心に活動を続けるが、
野球を通じた人間性、人生観を伝え続け、
Numberのほかに野球専門誌で活躍。
WEBの世界でも「人間力×高校野球」(高校野球情報.com)
と題したコラムを連載している。


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