



2009年09月07日 (月) | 編集 |
阪神で藤田平、江夏豊、近鉄で大石大二郎、野茂英雄・・・。
数々の名選手をプロ野球に導いた名スカウト、
故河西俊雄さんから生前、
聞かされたドラフトの思い出話がある。
『各球団平等でないとアカン。
だからクジ引きは仕方ない。
ただ、あまりに演出が過ぎるとなあ・・・』
競合による抽選を何度も目の当たりにした河西さん。
忘れられない1人が阿波野秀幸(現野球解説者)だった。
1986年秋、在京セ・リーグ希望の亜大・阿波野に対して、
名乗りを上げたのは希望する巨人、大洋、
そして希望外の近鉄。
運命のイタズラか、引き当てたのは近鉄・・・。
傷心のアマ球界ナンバーワン左腕を説得したときのことを
老スカウトは振り返った。
『自分の運命を見せ物のような形で決められて、
と言われると辛かった』―。
生涯、胸に突き刺さった言葉だったようだ。
見ている側にすれば、盛り上がる“ショー”だが、
クジで人生が決められる側、特に希望が外れた選手達にとっては、
辛い光景となる。
今年のドラフトは、史上初めて1000人を招待して、
ナマで目撃できる、という新たな趣向を導入する。
抽選箱も“ガラス張り”にして、
クジを引く瞬間の手の動きまで見えるとか。
花巻東・菊池雄星の運命のシーンにファンも立ち会える。
歓迎する声が聞かれるが、河西さんが心配した
方向に向かっているのは事実だ。
89年のドラフトは、中継テレビ局の都合が優先され、
日曜夕方のスタートになり、
学校が休みの大学、高校生が大迷惑を被った。
あくまでも主役は候補選手であり、球団。
演出で盛り上げることを否定はしないが、
選手の気持ちを忘れた“ショー”にだけは
してもらいたくない。
サンケイスポーツ 『甘口辛口』より
上田雅昭氏
数々の名選手をプロ野球に導いた名スカウト、
故河西俊雄さんから生前、
聞かされたドラフトの思い出話がある。
『各球団平等でないとアカン。
だからクジ引きは仕方ない。
ただ、あまりに演出が過ぎるとなあ・・・』
競合による抽選を何度も目の当たりにした河西さん。
忘れられない1人が阿波野秀幸(現野球解説者)だった。
1986年秋、在京セ・リーグ希望の亜大・阿波野に対して、
名乗りを上げたのは希望する巨人、大洋、
そして希望外の近鉄。
運命のイタズラか、引き当てたのは近鉄・・・。
傷心のアマ球界ナンバーワン左腕を説得したときのことを
老スカウトは振り返った。
『自分の運命を見せ物のような形で決められて、
と言われると辛かった』―。
生涯、胸に突き刺さった言葉だったようだ。
見ている側にすれば、盛り上がる“ショー”だが、
クジで人生が決められる側、特に希望が外れた選手達にとっては、
辛い光景となる。
今年のドラフトは、史上初めて1000人を招待して、
ナマで目撃できる、という新たな趣向を導入する。
抽選箱も“ガラス張り”にして、
クジを引く瞬間の手の動きまで見えるとか。
花巻東・菊池雄星の運命のシーンにファンも立ち会える。
歓迎する声が聞かれるが、河西さんが心配した
方向に向かっているのは事実だ。
89年のドラフトは、中継テレビ局の都合が優先され、
日曜夕方のスタートになり、
学校が休みの大学、高校生が大迷惑を被った。
あくまでも主役は候補選手であり、球団。
演出で盛り上げることを否定はしないが、
選手の気持ちを忘れた“ショー”にだけは
してもらいたくない。
サンケイスポーツ 『甘口辛口』より
上田雅昭氏
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