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坂本勇人に漂う清原和博の “匂い”
2009年07月23日 (木) | 編集 |
~高卒選手がプロで活躍する条件~
文:鷲田康 氏  


高卒1、2年目で頭角を現わす打者の特長は何なのか?  

「変化球が打てるかどうかやな」―。

楽天・野村克也監督の論だ。

高校野球からプロの世界に足を踏み入れた打者は、
同じ野球でも隔絶した世界を痛感する。
その最大の壁が実は、
よく言われるスピードの違いではなく変化球だという。  
  


「変化球の打ち方は選手の持って生まれた感覚。
 変化球打ちのための方法論は教えられても、
 最後に打てるかどうかは本人のセンスや。
 教えて教えられるものではない。
 だからセンスのない選手は、
 プロの変化球に慣れるのに数年は苦労するもんや」―。

野村監督の論の根拠だった。
  

カーブを弾き返し、プロの壁を突き破った清原。
高卒の選手が初めて一流のプロの変化球を見ると
「ボールが消える」という。
いつまでたっても変化球にバットがクルクル回る選手も多い。
  

だが、その中である特別な選手だけは、
その壁をいともあっさりと乗り越えてしまう。
ほんの一握り、いやもっとレアな選手だけが持つ特別なセンス。
その変化球を打つ特別なセンスこそ、
高卒でいきなり活躍できるバッターの必要条件となるわけだ。
  

近年、ずば抜けた変化球打ちの才能を持っていたのは、
PL学園から西武に入団した清原和博内野手(現評論家)だった。
  

清原というと、真っ向勝負のストレートを並外れたパワーで
打ち返すというイメージが強い。
変化球でかわされるとモロさをみせるように思われがちだが、
  
実はカーブ打ちの名手だった。  

「入ってきたときから、肩が開かずに一呼吸ためてボールをしばく。
 そのタイミングは天性のものだった」―。


恩師でもある元西武打撃コーチの土井正博(現評論家)は
こう語っている。
その結果、1年目から打率3割4厘、31本塁打という
並外れた数字に結びついたわけだった。  
  


原監督も認めた坂本の「実戦力」。
そしてもう一人、変化球打ちのセンスに「なるほど」と思わせたのが
光星学院から入団し、
プロ2年目だった去年の巨人・坂本勇人内野手だ。

真っ直ぐには少し詰まったが、
変化球に崩されずについていく。
原辰徳監督をして
「実戦力のあるバッティング」と言わしめたセンスが、
そこにあった。
  

だが、去年の坂本の打撃には大きな欠点もあった。
ボールを引きつけるポイントが後ろにあるが、
スイングがついてこなかった点だ。
独特のタイミングでボールを捕らえるセンスはあるが、
まだスイングスピードがついてきていなかった。
最初は手探りの敵バッテリーは、
普通の若い選手と同じように変化球を中心にして坂本を攻めた。
  
しかし、実は速い球こそ坂本封じの決め手だったのだ。
その点を分析された8月以降はがっくり成績も落ちていった。



その坂本が昨年までは詰まっていた内角のストレートを
きっちり打ち返せる技術を身につけている。
グリップの位置をあげてトップをコンパクトに作れるようになって、
内角のさばきが抜群に良くなった。

去年のデータを基にストレートを軸にした相手バッテリーの攻めを、
これで完璧に粉砕した。
今季のハイアベレージの秘密だった。
  

だが、坂本という選手を根本的に支えているのは、
やはりもって生まれた変化球打ちのセンスであることは
忘れてはならない。
  

「投手が打者を抑えるのには2種類の方法がある。
一つは力でネジふせること。
でも、これは相当な力の差がないと難しい。
だからピッチャーは常に相手を崩して、
自分のバッティングをさせないことを考える。
その一番の武器は前と後ろ、
内角と外角とバッターを変化球で揺さぶることになる。
ただ、そうやっていくら崩そうとしても、
ビクともしなかったのがONだった」―。

中日のエースとしてONと幾多の名勝負を演じた
阪神・星野仙一SDの言葉だった。  


変化球にもビクともしないで自分のタイミングでボールをさばける。
坂本に本物の匂いがするのは、まさにそこだった。




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