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G坂本の集中力とその中から見える成長
2009年06月25日 (木) | 編集 |
唐突だが清原和博(前オリックス)と松井秀喜(ヤンキース)の
決定的な違いは何だろうか?
この質問を本人にぶつけたことがある。
清原の認めた違いはこうだった。
  

『10対0と大差のついた試合。
 9回の打席できっちりフォアボールを選ぶアイツ(松井)の集中力。
 それだけは僕がまねできないところです』―。

そのことを松井に聞いてみた。  

『う~ん…確かにその試合の勝敗には関係ないかもしれないけど、
 バッティングというのはずっとつながるからね。
 点差が離れていても、
 そこでいい加減なアプローチで打席に立てば、
 次の試合に影響を及ぼさないとも限らない。
 だからどんな打席でもきちっとしたアプローチを
 しなければならないんですよ』―。


最終打席の立ち方が、選手の生涯成績を決める
プロ野球選手にとって試合の最終打席とは、
実は選手の生涯を考えたときに、一番、
大きな差を生む打席かもしれない。
  
試合開始直後の第1打席。やる気満々である。
中盤の第2打席や第3打席。
相手投手の球筋や審判のクセにも慣れて、
勝負をかける打席となる。

もちろん終盤の打席でも、集中力が高まることはある。  
ただ勝っていても負けていても、
試合の行方が決まってから入ることが多いのが最終打席なのだ。
  


『3割を打てるか打てないかの分岐点は、第4打席にある』―。  

これは長嶋茂雄巨人軍終身名誉監督の言葉だった。  
ここでいう第4打席とはイコール最終打席ということだ。
さすがに松井の師匠である。
そういう試合の行方の決まった打席でも
集中力を切らずに安打を打てるかどうか。
その違いで安打数は大きく変わり、
3割を打てる打者になれるかどうかの違いが生まれるというわけだ。
  

清原は3割こそ何度も打ったが、結局は無冠に終わった。
その一つの理由は、どうやらその辺りにもありそうだ。
  


そんな思いで見たのが、4月16日のヤクルト対巨人戦の
巨人・坂本勇人の打席だった。

2対6と4点ビハインドの9回。
李承と阿部があっさりと倒れた2死無走者で、
ヤクルトの林昌勇投手の外角スライダーをきれいに
右前にはじき返した。
同点の5回には先発・建山から左中間へ
二塁打も打っている。この日2本目の安打だった。
  

『今年は一つ一つの打席を大事にしていきたい。
 どんな状況でも自分のバッティングができるということが
 一つのテーマです』―。
  

坂本のこの言葉は、ちょっと違うシチュエーションを
想定したものだった。
  
チャンスのプレッシャーがかかる場面でも、
リキまずに自分のスイングをすること。
しかし、逆もまた真である。
試合の行方が決まった打席でもきっちり自分のバッティングを
崩さずに安打を記録している。
  

『育てる』時期は終わった。
坂本の勝負年が始まる
『去年はムリに使ったけど、今年はムリには使わない。
 本当の力が計られる年なんだ』―。

原監督がそんな坂本に送る言葉だ。
  
去年は打率2割ギリギリでも『育てる』という一念で、
先発のメンバー表に坂本の名前を書き続けた。
しかし、今年は調子を落とせば、すぐに先発からも外すし、
1軍からも落とすということだった。

だから1打席もおろそかにできない。  

その気持ちが打席の姿に見えてくる。
これが今年の坂本の成長だった。

 

筆者・鷲田康氏

1957年埼玉県生まれ。
慶應義塾大学卒業後、報知新聞社入社。
およそ10年にわたり読売ジャイアンツ取材に携わった。
2003年に独立。
日米を問わず野球の面白さを現場から伝え続け、
Numberほか雑誌・新聞で活躍。
著書に『僕のメジャー日記 松井秀喜』(文藝春秋)、
ホームラン術』(文春新書)がある。
                             
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