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21年目の極意は“脱力”にあり(1)
2007年09月14日 (金) | 編集 |
 『楽天に入るまで、バッティングに関してはあまり
  考えたことがなかったんですよ。とりあえず、
  ボールに体ごとぶつけてバットを振って、
  来た球を打てばいいかな、って』―。
 楽天・山崎武司は屈託なく笑う。

 38歳、21年目にして、目下パ・リーグ本塁打
 ランキングトップ。
 さらにプロ野球史上、最年長本塁打数を更新し続けて
 いる。21年の間に中日、オリックスでも働いたが、
 いずれの球団も首脳陣との確執を原因に引退。
 人間不信に陥り、野球から身を退こうとしていた
 山崎に声を掛けたのが、やはり現役時代に同様の
 経験を持つ、楽天の初代監督・田尾安志だった。

 『田尾監督の1年目に「バッティングそのものを
  考え直さないと、お前使えんぞ」と、
  さんざん言われたんです。ですから後ろ足に
  しっかり体重をためて打つということをキャンプ
  から取り入れたんです。田尾監督にバッティング
  というものを教えてもらいながらね。でもねぇ、
  開幕当初は泣かず飛ばずでした。
  しっくりこねえなぁと思っていたんですけど、
  こっちはクビになって楽天に来ているわけだし、
  現状のままだったら次はない。
  どうせならやってみようと。
  5月半ばになって、こんな感じだな、というのが
  掴めました。
  死に掛けていた僕が25本ホームランを打って、
  4番も打たせてもらった』―。

 また野球が楽しくなった。
 しかし、そのきっかけを与えてくれた田尾は1年で
 更迭され、後任に野村克也監督が決まった。
 『初めは厄介だな、と思いましたよ(笑)。
  野村監督は僕みたいなタイプを一番嫌うんじゃ
  ないかと思って。
  そんな思いのままキャンプに入りましたけど、
  僕ずーっと監督としゃべりませんでした。
  監督、初日に僕を見て
  「ズボンの裾が長い、コケたら罰金だ」なんて
  記者に言ってたんです』―。

 二人が会話を持ったきっかけは、紅白戦後の
 ミーティングに山崎がいなかったと思い込んだ、
 野村の些細な勘違いだった。
 『お前は態度が悪い、という話しから始まって
  「見栄えも悪い、俺の若いときによく似とる。
   勘違いされることが多いからな。
   俺がちゃんとチェックしてるからしっかりやれ」
  と。そこからですね、監督との本当の出会いは』―。
 野村の代名詞とも言える“知の力”は、
 ベテランにも役立つことばかりだった。


 『監督がいつも言うのは、技術で補えるのは限界がある
  ということです。試合のときにはアドバイスは
  そうはないんですけど、監督が若い選手に話している
  のに聞き耳立てたりしています。
  キャッチャーがバッターを観察しているのを
  逆手にとる、なんていう駆け引きを教わりました。
  20年以上野球をやっていて、分かってた部分も
  あるけど、やらなかった自分がいました』―。


 山崎にとって幸運だったのは、田尾の次に野村との邂逅
 (かいこう)があったことだ。
 出会う順序が逆だったら、これほど素直にアドバイスに
 耳を傾けられていただろうか。
 田尾によって野球を楽しむ気持ちと、バッティングを
 取り戻したところで、野村の応用編が始まったのだ。



 今年、量産するホームランについて、技術的に変わった
 ところは、ほとんどないという。
 『今年に関してはやっぱり“思い切り”ですね。
  (ホームランだけでなく)三振もリーグ2位くらい
  なんで、まあ1位とどっこいどっこい。
  でも野村監督には三振については、あまり言われない
  んです。思い切っていけと。
  意外かもしれませんが、僕、基本的に三振するのは
  嫌なんです。だからこそ、三振でもええという
  気持ちを持ってて、バッターボックスではすごく
  楽しいですね。もし池山(隆寛)コーチに何か
  言われたら、「池山さんより三振はしていない」と
  言うつもりです(笑)』―。


 山崎がこれまでぶつかってきた首脳陣は、
 三振を嫌うタイプが多かった。
 『そうですね。だから近年は、気持ちが消極的になって
  いたところもあると思います。でも野村監督は
  そういうことは言わない。
  現時点では思い切ってスイングしろとだけ言われて
  いるので、少しホームランが増えてきてるんだと
  思います』―。

 今季初ホームランは、3月25日開幕2戦目に
 西武の岩崎哲也から放ったものだった。
 『開幕試合は僕だけ蚊帳の外だったんです。
  どうなるのかと思いましたよ。
  キャンプもオープン戦も順調で、いつか調子が
  下がるんじゃないかという恐れを抱いていたん
  ですけど、それが開幕になっちゃって。
  危機感があったから、あのホームランではまったく
  安心できなかった。それにあれは、
  たまたまのホームランでしたからね』―。

                       (続く) 

  

 
 
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