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最後の最後は技術じゃない。やっぱり精神力だと思います。
2007年09月10日 (月) | 編集 |
 紀藤コーチ(楽天)は、田中将大の球種の豊富さや、
 プロで経験を積むことによって期待できる技術的な
 上積み以外の魅力にも着目している。

 田中の初勝利は、4度目の登板となった4月18日。
 紀藤が強調するのは、その相手がデビュー戦でメッタ打ちに
 された、ソフトバンクだったこと。
  
 『プロ野球選手としての第一条件は“やられたらやり返す”
  という気持ち。
  
  やられっぱなしじゃ、絶対この世界では生きられない。
  アイツの中では「またやられるかもしれない」という
  恐怖心と「今度は抑えなくちゃならない」という葛藤で、
  相当なプレッシャーがあったと思います。
  特に鳴り物入りで入ってきているわけだし。
  それに打ち克ったことは、やっぱり精神力の強さだと
  思います』―。


 田中が勝った試合を見ていくと、大事な場面で必ず厳しい
 コースにボールを投げ込んでいる。
  
 例えば二死満塁。
 カウントツースリー。
 そういう勝負所で、最高のボールが投げられる。  
 たまたまそこに行っているのではない。
 キャッチャーが構えたミットにボールが収まるということは、
 そこに狙い通りに投げている、ということだ。
  
 田中は言う。
 『それは高校時代からずっと続けていることで、
  ピンチでの粘り強さや、ここぞという時に一番力が出せる。
  気持ちの持ちようですね。
  
  ピンチになればなるほど、アドレナリンというか
  そういうものがすごい出てくるのが自分で分かるし、
  とりあえず、もう本当に相手に向かっていくだけですね。  
  でも、そういう時に限っていい球が行くんですよ。
  だから最後の最後だと、技術はあんまり関係ないんじゃ
  ないですか。
  ピッチャーはやっぱり一番精神力が重要じゃないかと
  思うんです。気持ちの強さは、もう絶対に負けない
  っていうふうに思ってやっています』―。


 精神的な強さは、田中の不思議な勝負運にもつながる。
 8月3日のソフトバンク戦、先発した田中は4回までに
 5失点しながら、打線の援護で逆転勝ちし、9勝目を挙げた。
 試合後のインタビュー、野村監督は おどけるように
 『マー君、神の子、不思議な子』と声を弾ませた。

 この試合に象徴されるように、田中が登板した試合では、
 楽天の打線はよく打つ。
 決して対戦相手のレベルが落ちるわけではない。
 ソフトバンクの杉内俊哉や和田毅といった、エース級と
 投げ合っているのだ。
 紀藤もこんなことを話してくれた。
 『やはり打者に対する気持ちが出ているからですよ。
  後ろで守っている野手も、18歳のプロ1年生が、
  カブレラや松中のような強力な打者に対して、一生懸命、
  全力で立ち向かって行く姿を見たら、なんとかしてやろう
  と思いますよ。それが人間の感情じゃないですか』―。


 田中はよくマウンド上で咆える。
 会心の1球で打者を打ち取ると、握り拳を作って、
 荒々しい表情で『ウォー』と声にならない声を挙げる。
 今ではそれが田中のある球のパフォーマンスになっている。
 『もちろん、投げている試合は全部勝つつもりでやって
  いるんで。初めから負けると思って投げてなんかないですし
  それだけの決意を持ってマウンドに上がっているから
  自然に気持ちが表に出てしまうんですよ』―。
 ただし、本間は
 『ああやって叫んだりするけど、実際は冷静というか
  よく周りが見えていましたね』とも話している。
 その言葉を伝えると、田中は手の内を読まれたかのように
 『内心は冷静ですよ。冷静ですけど、強く行く所は強く
  行かないとダメだし、冷静に状況というものは
  いつでも見られるように、と』―。
 照れながら打ち明けてくれた。


 『今までのプロ野球選手にはいなかったタイプの投手』  
 紀藤は田中をそう表現する。
 真っ直ぐで押せるし、変化球でかわすことも出来る。
 そして、ここぞという時にはビシッとそこに投げられる
 勝負強さ。精神的にも強い。
 
 インタビューでよく『目標とする投手は?』と聞かれると
 口ごもるのは、やはり本当にいないからなのだろう。
 田中は将来像についてこう語る。
 『3年先とか5年先とか、正直そこまであんまり考えていない
  んで。とりあえず、今できることや課題、たとえばバランス
  だったり、クイックだったり、フォアボールを少なくする
  とか、そういうものを考えながらやっていくだけですね。
  もちろん試合の中で課題が出るのは良くないですけど、
  課題があるってことは、まだまだ良くなるってこと
  でしょうし。そこを改善していけば、と思っています』―。
 

 『自分としては白紙の状態から始めたんで、ここまで
  これるなんてまず思ってなかったですけど・・・。
  自分の中では、二桁勝利っていうと、良いピッチャーと
  いうか、まあ、一流でもないですけど、結果的にはいい数字に
  持っていけたらいいかなと思っています。
  でも本当にそこまで欲はないんです。
  一戦一戦、自分のピッチングを全力で、そしてチームの
  勝ちに貢献するだけっていうふうに今は思っているんで。
  何勝したかよりも、一戦一戦、成長していくことだと
  思います』―。


 一昨年夏、田中は甲子園で鮮烈なデビューを飾った高校2年生の
 頃のピッチングを取り戻そうと、人知れず悩んだことが
 あったという。
 『その時に戻そう戻そうとして・・・。でも、プロに入った
  今は、もう意識することはなくなりました』―。
 田中はすでに、新たな高みを目指して歩み始めている。
 

 『末恐ろしいですよ。今後どうなっていくのか』―。
 紀藤がふと漏らしたその言葉が、今の田中の魅力を
 言い表している。
 やはり怪物だった。
 田中は、甲子園で与えた以上のインパクトを、
 プロ野球で与えていくに違いない。 
 

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