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地を這う魔球の逆襲
2007年06月01日 (金) | 編集 |
 希少な存在ゆえに注目を浴びる。
 希少な存在がゆえに狂言の差で傾む 極めて異色。
 時にそのリリースポイントは地下へと潜る。
 そして、そんなサブマリンが今シーズン再浮上。
 去年の苦心を乗り越え、復活を遂げたその裏で・・・。
 更なる進化へ新魔球を生み出す 
 驚愕のトレーニング法とは。
  

 千葉ロッテマリーンズ 渡辺俊介 30歳。
 2007年男は逆襲に出る!!
  

 1月、渡辺は同じ大学出身の選手らと共に、合同自主トレを
 行っていた。 歩くことに始まる。
 瞬発力や回復力を養う運動など、そのメニューは多岐に渡る。
 日によってトレーニングは実に10時間にも及ぶ。 
 まさに妥協なき日々。
 そんな中、復活へ向け確かな手応えを掴んでいた。
 
 2000年、ドラフト4位でプロの世界に飛び込んできた
 渡辺俊介。
 入団3年目にその才能は開花し、先発ローテーションに定着
 すると、5年目となる一昨年には、15勝を挙げ
 日本一の原動力に。
 そして去年、ワールドベースボールクラッシックでは、
 松坂・上原と共に先発3本柱の1人として世界一に貢献。
 更なる飛躍を期待された昨シーズンだが―。
 ここで思わぬ落とし穴が待っていた。

 WBCの活躍から一転、不振に陥りわずか5勝と成績は急降下。
 そんな状況を打破すべく1月の自主トレでは、あることに
 力を注いでいた。
 このトレーニングにこそ、今シーズンを紐解く大きなカギが
 隠されていたのだ。
 サブマリンの中に何が起きていたのか、ナゾを解き明かす。  



 『全部、中途半端になっていた』―。
 と昨年を振り返る大きな要因には、球界に衝撃を与えた
 ルール改正がある。

 “二段モーションの禁止”―。  

 昨シーズンから、投球動作に入った後で動きを
 途中で止めたりすることを禁止された。
  
 (阪神・藤川、ソフトバンク・斉藤、楽天・岩隈、
  ベイスターズ・三浦など)
 これまで築き上げてきたフォームの変更を余儀なくされた
 ピッチャー達にとっては、まさに死活問題。
  
 渡辺も従来の左足を上げ、1度静止するフォームでは
 反則投球と判断されてしまう。
 
 『カチッとはまる』―。  
 軸足にしっかりと体重が乗った状態のこと。
 その状態を作り上げることで、パワーが十分に蓄積され、
 大きな体重移動によって、
 一気に力を爆発させる事ができる。
  

 渡辺もこれまで一度動きを止めることで、軸足に体重を乗せ
 ボールに力を伝えてきた。
 だが、二段モーションが禁止され、軸足に体重が乗せ
 きれない。
 投げるボールも中途半端なものになったという。

 『それは自分の中で解決していると思っていたけど、
  やっぱり動きの中で、しっかり乗せきれなくて
  “カチッと入りきれない』―。

 では、このシーズン渡辺は、この問題をどう克服したと
 いうのか?
 その答えはピッチャーの投球動作における
 ひとつの特性に隠されていた。

 『片足ずつのバランスと強さを求めていて、ピッチャーは
  両足着いている時間、って短いので』―。
  

 確かに投球動作を行う際、両足を地面に着けている時間は
 ほんのわずかな間である。
 右足一本で体を支えた後は、左足一本で
 支えなければならない。
  
 そこで渡辺は、これまで以上に片足ずつのトレーニングに
 時間を割き、バランスや筋力を徹底的に鍛えあげた。
 すると、これが絶大なる効果をもたらした。
  

 『どんな状態でも“カチッ”とはまる状態を作れる
  ようになった』―。
  
 片足ずつのトレーニングにより、動きながらにして
 右足に十分な体重を乗せることが可能となったのだ。
  

 その上、着地した左足にも、しっかりと体重が乗り、
 これまで以上にパワーは増幅!
 二段モーションの苦悩から脱却し、
 新たな境地を切り開いた。
  

 こうして2007年、男はシーズン序盤から躍進を遂げる。
 07年5勝1敗 防御率1.89 (5月27日現在)
 オフシーズンの努力が実を結び、輝きを取り戻し、
 完全復活を果たした。

 だが、これだけには終わらない。  
 大事なシーズン後半を見据え、更なる進化を追い求める。
 このオフ、自主トレで取り組んだ もうひとつの試み。
 それは新魔球、チェンジアップの取得。
  

 チェンジアップとは、ストレートと同じ腕の振り方で、
 投げるスピードは遅いボールで、
 バッターのタイミングを外す狙いがある。
  
 
 渡辺の主な持ち球といえば
 ①伸びのある120㌔台のストレート
 ②ブレーキのきいた90㌔台のカーブ
 ③更に左バッターに対し逃げていく120㌔台のシンカー
 がある。
 『全てが勝負球にしてもいるし、カウント球にもしている。
  それと同じレベルにまでなってくれれば』―。

 更なる高みを目指すべく、新たなる球種チェンジアップを
 増やそうと試みていた。
  

 だが、完成への道のりは、予想以上に険しく
 なかなかフォームやコントロールが定まらない。
  
 チェンジアップに対するチームメイトの評価も厳しいもの
 だった。
 
 実はこのチェンジアップ―。
 アンダースローの偉大なる先陣たちも、
 ほとんど投げていないといわれている、
 特別な球種なのだ。
  
 渡辺が覚えているのは、OKサインを作って握る
 サーフルチェンジと呼ばれるもの。
 オーバースローのピッチャーが、そのチェンジアップを
 投げる場合、ボールを手の平が支えられている為、
 強く握らずとも投げることが可能である。
  
 だが、アンダースローのチェンジアップの場合、
 ボールを軽く握ると、手の平が下を向く為
 支えられない、落ちてしまうのだ。
  

 渡辺がいかにして不可能を可能としたのか―。
 ここに驚愕の事実が潜んでいた。

 『新しい球種には、一本一本の指を自由に使う為の
  トレーニング』―。

 なんと渡辺はチェンジアップ習得の為に、
 指の筋肉や感覚を鍛えていたのだ。
 
 自主トレで渡辺を指導した専属トレーナー平岩時雄氏が
 この指のトレーニングの狙いをこう語った。
 『親指や人差し指、中指。これらは普段使っているから
  使えるけど、薬指や小指は、自分で上手に使うことが
  出来ない。特に彼の場合はチェンジアップを含めて
  変化球をもっと丁寧に、より細かに使いたいということで
  “じゃあ、指の感覚をもう少し増すようにしよう、
  ということで、指を鍛えるという所に考えが及んだ』―。
  

 薬指小指を中心に、一本一本指に丹念に負荷を与えていく。
 そうすることで、力を入れたい指だけに力を入れる。
 すなわち、独立した指のコントロールが可能となるのだ。
  

 『今まで薬指小指を使って投げることが無かったので、
  指一本一本もきちんと独立して 僕の思い通り
  動かないとね。結構きついんですよ』―。
  

 こうしてアンダースローには極めて難しいとされた
 チェンジアップの握りが可能になった。
  
 キャンプ、オープン戦と少しずつ その技術を磨いていく。
 
 『チェンジアップの重要性が これから高くなってくると
  思うので、その為の準備としてはある程度
  納得のいく状態になっています』―。
 まだ手探り状態ながらも、相手の反応を確かめるように。
  
 
 現在は、1試合に数球ながらチェンジアップを織り交ぜ
 投球の幅を広げている途中だ。
 キャンプでは辛口評価をしていた女房役、里崎智也捕手も
 『もし、他の球種が調子悪くても、チェンジアップが
  調子良ければそれを主体にも出来るし、
  “このボールは狙った所に8割投げられる”という
  自信が本人にできることが、一番重要だと思う』―。
  

 『僕のイメージが後半戦。
  新しい球種、幅を広げていくというのが
  必要になってくると思う』―。
 現時点では、決め球とまでは いかないかもしれない。
 でも、シーズン後半の勝負どころを見据え、
 虎視眈々とその精度を高めていく。
  

 体の繊細な部分にまで気を配り、向上することを
 追い求めて止まない。
 美しきサブマリンの姿が、そこにはあった。
 2007年、地を這う魔球が逆襲する!!
 

 
 
 
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