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「勇気」ではなく「義援金」を!球界が果たすべき、本当の復興支援
2011年04月05日 (火) | 編集 |
                   鷲田康 = 文


東北地方を中心に東日本を襲った大地震と大津波の被害は、
刻一刻と深刻になっている。
被災地ではまだ死者、行方不明者が増え続け、
何とか一命を取り留めた人々も、
極寒の中で物資不足に苦しみながらの避難生活を強いられている。

その中でプロ野球界は開幕問題を巡って、
すったもんだの論争を繰り広げた。

仙台を本拠地とする楽天を抱えるパ・リーグは
早々に開幕延期を決めたが、
セ・リーグはそうはいかなかった。

「(復興のために)あらゆる努力をする。
 その努力の源泉は明るい活力。
 明るい活力をもって国民大衆に示すことができるのはプロの選手たち。
 選手が全力でフェアプレーで緊張した試合をし、
 観衆が元気を持ってくれれば生産性が上がるんです」

3月16日に行われた巨人の激励会では、
読売グループの総帥でもある渡辺恒雄球団会長がこう主張。


そんな様子を見ていて思い出した言葉がある。

「被災直後はあまりの被害の甚大さに何もできず、無力感に襲われた」

1995年。関西地区を襲った阪神淡路大震災を振り返った
故・仰木彬さんの言葉だ。


~「がんばろう神戸!」を合言葉に初のリーグ優勝へ~

仰木さんはこの年、
被災地の神戸を本拠にしたオリックス・ブルーウェーブの監督だった。
そして1月の震災から2カ月余経った開幕で
「がんばろう神戸!」を合言葉にチームを率いて、
オリックスとしては初となるリーグ優勝へと導いた。

だが、その仰木さんですら、被災直後には、あまりの被害の大きさから、
野球どころではない、と絶望感にさいなまれていたというのだ。

野球が本当に人々の力となれたのは、被災から数カ月経った後だった。
人々が復興への道を歩きだしたとき、
初めてスポーツは元気や勇気のシンボルとなる。
そうして初めて「がんばろう神戸!」という掛け声とともに、
オリックス・ブルーウェーブという野球チームも
復興の象徴としての役割を担えたというのだ。


~「野球で勇気づけられるというのは思い上がりだと思う」~


「復興が見えた時に野球で勇気づけることはいいと思うが、
 いま、野球で勇気づけられるというのは、思い上がりだと思う」

 ヤクルトの宮本慎也内野手はこんなことを言っている。

いまは野球を見せることで、
被災地の人々を勇気づけるなどというレベルの問題ではない。
宮本の言うことは、まさにその通りのことだった。

それでは球界を含めて、我々、被災を免れた人間は何ができるのだろうか?

それはまず、普通に自分の仕事を粛々とやること、働くことしかない。

プロ野球選手はやはり野球をする以外にはないのだ。

そうすることで経済を動かし、支援する物資と資金を作り出していく。
祈りや勇気という言葉ではなく、
今はお金と物をどれだけ被災地に送れるか。
それが被災を免れた私たちが、まずできることであると思う。

「経済活動を停止したら日本社会は沈没するだけ。
 何でもかんでも自粛すればいいというものじゃない」

 これは3・25開幕を主張した巨人・清武英利球団代表の発言だ。


~プロ野球界ができることは「野球」での支援しかない~

野球をやれば、そこに人が集まり、
そこで募金ができ収益をチャリティーに充てられる。
現実問題として地震直後の3月15日に行われた
巨人と阪神のオープン戦ではその収益金と100万円余りの義援金などを含めて
3000万円が被災地に送られることになった。
それはいま野球界ができる、数少ない被災地への支援活動ということなのだ。

これから先の復興という観点で考えれば、この清武代表の発言にも一理ある。
ただ、そうした活動と現実的な危機の兼ね合いをどう考えるか。
そこが今回の一番の問題だった。

電力不足の首都圏でナイターによる開催には、
圧倒的な人が違和感を持つはずだ。

地震による影響と福島の原子力発電所の事故等で計画停電が実施され、
交通機関の運行にも支障をきたしている。
関東各地では停電で暗い夜を過ごしている人々も大勢いる。
混乱こそあれ、経済を動かすという意味でも、
この強行開催にどれほどの効果があるのかも疑問が残るだけだった。


~「勇気を与える」というおためごかしでなく義援金を!~


 ならば……あえて思う。

球界は「勇気を与える」などというおためごかしではなく、
本当に復興支援のために徹底したお金集めに取り組んでほしい。

例えば今季は公式戦の入場料を一律100円アップして、
それをチャリティーにしてはどうだろうか。
もちろんファンだけではなく、
球団も入場料収入から一人について50円分を復興資金にチャリティーする。

ファンは球場に行くことが復興支援につながり、
球団と選手も一人でも多くのファンを集めることが
被災地への具体的な援助へとつながる。
昨年は12球団の観客動員は合わせて2214万1003人。
単純計算で33億円余りの資金が集まることになるはずだ。

実質的に何をしてくれるのか。
被災地が待ち望んでいるのは、明るい活力ではなく、
やっぱり食べ物であり、ガソリンであり、
復興に向かったときの住むべき家であるはずだ。

 それを支援する。

球界としてやらねばならないことは、まずそういうことであるはずだ。

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