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「優勝チームに名捕手あり オフの選手移籍の要はやっぱり捕手
2010年12月26日 (日) | 編集 |
               田口元義 = 文 

今季のストーブリーグは、例年になく派手だと言っていいだろう。

星野仙一が楽天の監督に就任し、
メジャーリーグでも実績を挙げた岩村明憲、松井稼頭央の獲得と、
阪神時代を彷彿とさせる大型補強を敢行。
そして、金銭難からこれまで補強に消極的だった広島が、
ドジャースの黒田博樹や横浜の内川聖一の獲得に
名乗りを上げたことにも驚かされた。

なかでも、個人的に気になったのは捕手の補強だ。
今年、ロッテが日本一になって「捕手を補強すれば勝てる」
ことを教えてくれたことも、注目した理由のひとつである。

~ロッテの“下剋上”を縁の下で支えた、ある捕手の存在~

昨年オフ、橋本将がFAで横浜へ移籍したことにより、
ロッテの一軍レベルの捕手は里崎智也のみとなった。
そこでチームが目をつけたのが、
同時期にソフトバンクから戦力外を受けた的場直樹だった。

 この補強が見事にはまる。

レギュラーこそ里崎だったが、
その里崎がシーズン終盤に故障で離脱すると、
的場がしっかりと代役を務めた。

背景には、指揮を執る西村徳文監督の見事な采配が
あったのも事実だ。

里崎は投手の投げたい球種を投げさせ、
勝負どころでは直感でリードするタイプなのに対し、
的場はデータを尊重し巧みなインサイドワークで投手の能力を
引き出すタイプ。
この、両極端のふたりを西村監督はうまく活用した。

良い事例が、ソフトバンクとのクライマックスシリーズだ。

相手の手の内を知る的場に初戦を託し、
エース・成瀬善久を持ち前のリードでけん引させ勝利に導いた。
第6戦では、中4日の登板で疲労の残る成瀬に
気持ち良く投げさせるため、
そして、配球をガラリと変えるために里崎を起用。
結果、シーズンで対ソフトバンク戦未勝利だった成瀬は
同シリーズで2勝。
MVPに輝いた。

ロッテ日本一の原動力は、
切れ目のない打線と安定した投手陣であることは言うまでもない。
だが、このふたりの捕手、
特に的場の存在は非常に大きかった。

~ソフトバンクが西武の細川を獲得した理由とは?~

これで分かるように、捕手の場合、
明確な起用プランがなければ補強しても意味がない。

そういった意味では、
ソフトバンクが西武の細川亨を獲得したのは頷ける。

今年は、前年にチームトップの26本塁打を記録し正捕手となった
田上秀則が、二軍落ちするなど絶不調。
山崎勝己もリード面では貢献したが、
打撃では打率2割1分と精彩を欠いた。

城島健司がチームを離れてから自前の捕手がなかなか育っていない。
そのため、西武の正捕手として日本一を2度経験している細川は、
ソフトバンクにとって垂涎の選手であったことは言うまでもない。

細川の捕手としての能力を高く評価する野村克也は、
捕手の重要性についてこう簡潔に述べてくれたことがある。

「優勝争いするようなチームには必ずと言っていいほど
 優秀なキャッチャーがいる。
 『優勝チームに名捕手あり!』ですよ」

この言葉をソフトバンクに当てはめてみれば、
'03年以降日本一から遠ざかっているだけに、
チームとしてもウィークポイントはしっかりと認識していたことになる。

~阪神入りした藤井には「競争」よりも「役割」が重要~

ソフトバンクとは異なる事情で捕手を獲得したのが阪神だった。

左ひざの手術に踏み切ったため来季開幕戦まで間に合わないとされる
正捕手の城島の代役として、
楽天からFA宣言した藤井彰人に白羽の矢を立てたのだ。

藤井本人は、入団会見で
「城島の代わりとか言われているけど、
 自分の力で競い合って頑張りたい」と
正捕手取りに意欲を見せた。

 ただ、果たして本当に競争という舞台は用意されるのか?

城島は今シーズン、
全試合スタメン出場し打率も3割をマークした選手だ。
ひざが回復すれば即スタメンは必至。
そのため、打撃が課題とされる藤井を、
同じ土俵で勝負させるのはいささか酷な話ではある。

ならば、「競争」させるのではなく
「役割」を与えたほうがチームにとってプラスになるのではないか。

阪神といえば、'02年オフにも似たような補強を行ったことがある。
当時、不動のレギュラーである矢野輝弘がいながら、
日本ハムから野口寿浩を獲得。
同時期に金本知憲や伊良部秀輝といった大物選手を呼びよせながら、
監督の星野はきっぱりとこう言ってのけた。

「この補強で一番の収穫は野口や」

野口にそのことについて尋ねたことがあったが、彼自身、
「二番手という意識は全くなかった」という。
それは、監督から求められているものが分かっていたからだ。

~岩隈を支えた藤井は阪神若手投手陣をどう育てるのか?~

野口に課せられた大きな役割のひとつに若手の育成があった。
彼はそこで、自分の経験を伝えていった。

「データなどを見せながら、
 前の試合での投球を意識させていたと思う。
 前回の登板と同じシチュエーションでどんなボールが投げられるか。
 いい結果を出せれば成長だし、悪ければ集中力が足りない証拠。
 そんなことを言い続けていました」

その結果、上園啓史を新人王へ導き、岩田稔を2ケタ勝利に導くなど、
阪神投手陣の底上げに多大な功績を果たした。

藤井もプロを12年も経験したベテランであるし、何より、
楽天時代は岩隈という球界を代表する投手を支え続けた捕手である。
今の阪神若手投手陣にとっては絶好の「生きた教材」であることは確かだ。
藤井が野口のような役割を担うことができれば、
それだけで十分な戦力となる。

今シーズン、日本一を逃したソフトバンクと阪神は、
来シーズンへの第一歩として捕手を補強した。

両チームはそれをうまく生かせることができるのだろうか? 
「扇の要の支配力」が試される。  


【筆者プロフィール 田口元義氏】

1977年福島県生まれ。
元高校球児(3年間補欠)。
ライフスタイル誌の編集を経て2003年にフリーとなる。
Numberほか雑誌を中心に活動。
試合やインタビューを通じてアスリートの魂(ソウル)を
感じられる瞬間がたまらない。
共著に「戦力外通告 プロ野球をクビになった男たち」、
同「諦めない男たち」などがある。

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コメント
この記事へのコメント
私も、各球団のドラフトを考える時、捕手を最優先にチェックします。

ロッテの的場補強については、私は否定的な見方をしています。田中、金澤、青松の起用機会が激減しました。

里崎が日本シリーズで貢献したように評価されていますが、シーズンの盗塁阻止率は悪く、故障の影響なのか、投手の問題なのか、里崎自身の衰えなのか。

的場補強の成否、その答えは来季ではなく3年後に出ると思います。
2010/12/26(Sun) 22:18 | URL  | 一花 #-[ 編集]
一花さん、今年も観覧下さり
心を打つコメントや意見など勉強させてもらい
感謝しておりますv-436

捕手の件は、私も高校野球、プロ野球他、
大学、社会人全てにおいてまずは
捕手を見ます。
私の母校もまず、捕手を固めてから
選手を集め、良い成績を残すパターンが多々ありました。

千葉ロッテにもいい捕手がそろそろ欲しいのですが・・・

来年も宜しくお願いいたしますv-457v-353
2010/12/31(Fri) 11:30 | URL  | kuni28 #-[ 編集]
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