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オレ流長時間練習は“農耕的”収穫目指すもの
2011年02月26日 (土) | 編集 |
2月12日サンケイスポーツ『’11 ノムラの考え』より

キャンプ特別編として、中日・落合監督(57)と
約1時間半にわたって『監督とは』『キャンプとは』をテーマに
激論を戦わせた。
両者はミーティング重視の野村流、長時間練習の落合流という
好対照な“キャンプ哲学”を持つ。
落合監督の『ノムさんの野球は、狩猟民族の考え』という
奇抜なオレ流理論を『ノムラの考え』で解き明かす。

~あえて古い野球~

北谷には、雨まじりの冷たい風が吹き抜けていた。
その中で、中日の選手は朝9時から夜まで練習している。
12球団で一番多く練習をさせる理由はなぜなのか?
そこに『落合博満は名監督か』という問いに答えるヒントが
隠されている気がした。

落合 『へたっぴは練習するしかない。
    この時間の長さが普通なんだと思う。
    オレは古い野球を現在の野球界に伝える、
    取り入れることが必要だと思っていた。
    練習のやり方を知らない子に、教えてやらないのは、
    指導者の怠慢ですよ。
    オレは実は、ノムさんにもキャンプの練習が短くなった
    責任の半分はあると思いますよ』

信じられない言葉が返ってきた。
落合は、独特の言い回しで、その理由を説明した。

落合 『ノムさんの野球は“狩猟民族”の考え方だと思う。
    組織立って、頭で戦略を考えるでしょう?
    相手を誘い込んで、ここへ投げざるをえない、
    取り込んで打ち崩していく。
    だから配球とかを重視する。
    そのためにミーティングをやるんでしょう?』

他球団の練習時間が減ったことまで、私の影響とは思えない。
だが、私はキャンプで、練習にかけるものと同じ位の熱意を
ミーティングに費やしてきた。
夜間練習の代わりにミーティングをと考えたのも事実だ。
キャンプは選手がまったく白紙の気持ちで、
純粋な向上心と吸収力を保っている期間だ。
だからミーティングで人生論や野球論を語ってきた。
根本には、『技術だけでは勝てない』という信念がある。
『無形の力』で技術を補うべきだと考えてきたからだ。

落合 『実は11球団のキャンプにスコアラーを
    派遣しているんですけど、
    毎日、他球団の練習内容を報告書にして送ってくる。
    それを見て、“こんな練習量でいいのか?”と思う。
    弱いチームは特に』

私が“狩猟民族”なら落合は“農耕民族”なのか。
農耕とは、土壌の改善、品種の改良によって収穫量アップを
図るものだ。

落合 『監督8年目だけど、残っている選手は15人ほど。
    70人以上ユニホームを脱がせてきた。
    コーチも20人は入れ替えている。
    それでも一部のベテラン、中心選手は
    “コーチに言われたくないよ”というのもいる。
    その時はオレしかいない。
    オレの数字を抜いてみろ、その後で能書き垂れてみろ、と』

ベテラン井端は、若手の堂上直らにあおられて
泥まみれになっている。
練習段階でケガに負けない体力と技術を身に付けさせて、
生き残った選手にチャンスを与える。
もともと中日には戦力がある。
だから『無形の力』で戦力の隙間を補うのではなく、
目に見える実力と言う『有形の力』を徹底強化する。
これがオレ流の正体―。
コーチの指導力という土壌、選手の品種改良に徹する。
そのために必要なのが、練習時間の長さなのだろう。

環境に応じて、監督の哲学、信念も変化する。
落合のアプローチは私と異なるが、理解できる。
『常勝チーム』ができないのは戦力均衡だけでなく、
監督が2年、3年周期で入れ替わることも原因だと思う。
落合に8年間任せた球団の理解も大したものだ。

落合 『今年はオレが何も言わなくても、選手が勝手に競争を
    している。
    それが一番いい。
    だから手応えがある』

ここまで言われると、やはり今季も中日が優勝候補の筆頭と
言わざるをえない。
落合は8年かけて『長い練習による競争』というスタイルを確立し、
常勝に近いチームを築いた。
そこには『有形の力』の徹底強化という信念がある。
そのブレない信念こそ、名監督の条件である。

        サンケイスポーツ専属評論家 野村克也氏

~野村克也と落合博満~
もともと三冠王同士で、打撃理論を戦わせてきた。
落合氏が巨人を自由契約となり日本ハムへ移籍した1996年オフは、
当時ヤクルト監督の野村氏が獲得に乗り出した経緯もある。
監督として対戦した2006年以降、交流戦で落合監督が
『ベンチに座ってばかりじゃ不健康』と
野村監督を打撃ゲージ裏に呼び出し、
野球談議に花を咲かせるのが恒例になった。

 

 
     
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斎藤は投手に必要な資質を備えている
2011年02月02日 (水) | 編集 |
サンケイスポーツ『 '11ノムラの考え』(1月13日付け)より

~よく走っておけ~

斉藤佑樹が新人合同自主トレで学ぶものはほとんどないだろう。
『グラウンドでよく走っておけ』くらいしか言わなくていい。
昨年12月、ある表彰式で同席した。
礼儀正しく、そつなく、賢い子というのが第一印象。
田中将大(楽天)がプロの4年間で成長を続けたように、
斎藤には早大での4年間が貴重な時間になったのだろうと感じた。

本人は『とにかく開幕1軍』と謙遜しているようだ。
しかしプロの世界では、謙遜は必ずしも美徳とは言えない。
私なら1年目から斎藤を成功させてみる。

投手に必要な資質に技術・体力・知力など
『外面的な要素』があるが、
斎藤はそのほとんどを備えている。
だから「走っておけ」でいい。
これから必要なのは、以下の『内面的要素』の意識だ。


①投手は試合の7割以上の勝敗に影響する野球の主役である

②投手は常に打者に対して挑戦的であるべき

③コンディション調整を体得せよ

④投球の組み立てを常に考えよ


私が監督として斎藤に接するならば、
特に④を重んじて『今から配球を勉強しておけ』という。
斎藤は本格派投手ではない。
私のいう本格派というのは、打者が直球を待っていても、
直球で空振り三振に仕留められる投手。
同じ日ハムのダルビッシュ投手は、
『状況に応じて本格派と技巧派を使い分けることができる』投手だが、
斎藤はまだそのレベルには達していない。

だとすれば、斎藤がなすべきことは配球の勉強だろう。
まず12種類のボールカウントの性質を学び、
常に状況と相手打者を思い浮かべながら、
打ち取るためのシュミレーションを重ねることだ。


4年前を思い出す。
田中の1年目。
マウンドに送り出すとき、私はいつも
『打たれて帰ってこい』と念じた。
高校からいきなりプロに入った田中には、
技術不足や配球の未熟さを打たれた痛みで学ぶことの方が
多いだろうと考えた。
だが、大学を経てきた斎藤は違う。
周囲が『まだ自主トレなのに』と笑っているうちから、
即戦力として頭の中でデビュー戦へ向けた
準備を始めるべきなのだ。
幸いなことに、梨田監督は捕手出身。
ぜひ、捕手の視点から斎藤を導いてほしい。

               サンケイスポーツ専属評論家・野村克也氏