日々様々なスポーツ界での出来事や、気になった記事を取り上げ考えていくブログです。
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戦術に徹した方が選手はリラックスできる
2010年10月20日 (水) | 編集 |
~シンプルが効果的~

落合、原両監督がクライマックスシリーズに入る前に、
180度異なるアプローチをした。
監督の視点からすれば、なかなか興味深かった。

落合監督は、レギュラーシーズン終了後、
1軍全員を出場選手登録抹消した。
まるでキャンプのように、メンバーを白紙に戻して、
『もう一度ふるいにかける』と言った。

原監督は坂本、長野、脇谷の3人だけに特別指導を行った。
中日ほど日程に余裕がないだけに、
『やってもらわなければ困る』選手を選抜して
底上げを図ったのだ。

ファーストステージは坂本、長野それぞれが粘り強さを見せ、
“脇役”として勝利に貢献していた。

『人を見て法を説け』という。
釈迦は相手の能力や人柄に応じ、理解しやすいように真理を説いた。
リーダーとして大事な選手操縦法の基本だが、
原監督の『説法』は坂本や長野に通じたのだろう。

今度は落合監督が結果を出す番になる。
短期決戦では
『こうすれば勝てる』『打席ではこれを狙え』と
シンプルに指示する方が効果的だ。
選手枠争いに緊張しただけならマイナスで、
過度の重圧をかけるよりも戦術に徹した方が
選手はリラックスできる。

ナゴヤドームで巨人は2勝10敗と圧倒的に不利だが、
短期決戦ではさほど重要ではない。
南海の兼任監督として阪急と戦った1973年の
パ・プレーオフ。
南海は前期優勝したものの、阪急には後期0勝12敗1分け。
私は『負けてもともと』の気楽さで江本のリリーフなど
思い切った采配を振るい、
選手もリラックスして動いてくれた。
逆に阪急は負けられない重圧でガチガチになっていた。

アドバンテージがあり、全試合本拠地の中日が圧倒的に有利だが、
すでに阪神を破って自信を手にし、
かつ気楽に戦えるのは巨人。
第1戦を前に、心理面でどれほどの優劣が生じるか。
そこに勝敗の分水嶺がある気がしてならない。

          
    10月20日 サンケイスポーツ 『ノムラの考え』より
                     野村克也氏
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偉業祝福 ノムさんあえて言う!イチになれとは絶対に言わない
2010年09月25日 (土) | 編集 |
今日付けのサンケイスポーツ 『ノムラの考え~特別編~』より

~多くの高校生がフォーム参考に スターの証「時代を映す鏡」~

スターは時代を映す鏡」である。
大リーグで10年連続200安打を達成したイチローを
見ていると、そう感じる。
この夏、甲子園で高校野球を久しぶりに生で見た。
高校生も左打者が増えた、と実感した。
スイングしながら、すでに右足が一塁方向に流れる、
いわゆる「走り打ち」の選手が多い。
彼らの多くが、イチローの打撃フォームをイメージしているのは
想像に難くない。
「真似る」と「学ぶ」の語源は同じと言うが、
いくら高校生が真似たとしても、
イチローに肩を並べる選手にはなれない。
だから私は「イチローになれ」とは絶対に言わない。


私は素人同然でプロに入り、球の握り方もカーブの打ち方も
プロで学んだ。
苦手な変化球を打つために、捕手の経験による「配球の読み」を
加えて数字を積み重ねてきた。
つまり天性でも天才でもなく、「目の前にあるもの」を
利用してきただけだ。
だれでも努力すれば『野村克也』にはなれる。
だがイチローにはなれない。
けっして謙遜ではない。
イチローの打撃の出発点は三遊間に打球を転がして走る、
俊足選手そのものだ。
そこから「イチローオリジナル」を生み出した。
重心を投手方向に移動させながら、優れたバットコントロールで
打球方向を自在に操る。
努力で身につけた技術だが、他の選手が真似だけで
到達できないレベルのものだ。
だから私は「天才」というのである。
  

一つだけ、イチローが語った全打者に共通する真理がある。
あるテレビのインタビューで
「打撃でいちばん注意することはなんですか?」
と聞かれた。すると
  
「バットのグリップを、いかに捕手に近づけたまま
 我慢できるかです」と答えた。
  

グリップを、できるだけ捕手に近づけたまま我慢する―。  

すなわちバットが動くのは最後、ということだ。  
バッティングは「足→腰→腕」の順に動くのが理想。
だが最近の選手は上半身の筋力が強すぎるからか、
上体頼みで「腕→腰→足」のスイングになりがちだ。
天才的なバットコントロールを持つイチローも、
「バットは最後」という。
これだけは高校生も見習うべきだ。
  


~個人記録ではなくチームのため「妥協」「限界」「満足」禁じよ~

私にはもう一つ「イチローになれ」と言えない理由がある。
それこそが、今後のイチローに私が望むものである。
200安打を10年続けても、マリナーズは勝てない。
この現実をイチローはどのように認識しているのか?
  

イチローは自主的に球を待たない。
初球からどんどん打って出る。
1番打者の仕事は何より「出塁」だが、同時に相手投手の情報を
後続の打者により多く提供しなければいけない。
時にボールカウントを不利にしてでも球数をかけさせ、
四球を選んでチャンスメークする。
しかし、イチローは出塁率よりも安打数を意識している
ようにしか見えないのだ。
弱いマリナーズだからこうした打撃が許されるのか。
それとも消化試合で自らの個人記録を動機付けにするしかないのか。
イチローにも言い分があるかもしれないが、
彼が白星から離れて安打を積み重ねる姿を見ると、
「野球も団体競技から離れていってしまうのか」と
強い違和感を覚える。
  

9つの打順と9つのポジションには、それぞれ意味があり、
選手を適材適所で配置すべき、というのが
私の考えである。
イチローのスタイルは、私の考えでは1番打者に適していない。
私が監督なら「1番打者が4番のバッティングをするな!!」と
しかるかもしれない。
っそれ以前に“クリーンアップタイプ”のイチローを
1番には置かないだろう。
  

プロフェッショナルにとって
「妥協」「限界」「満足」の3語は禁句である。
イチローも3語を口にしなかったから、
ここまで技術を高めることができたはずである。
今後はチームの勝利を目指す上での
「妥協」「限界」「満足」を禁じてもらいたい。
  

スターは時代を映す鏡である。
イチローには、団体競技という「野球の本質」を
見失わせる鏡になってほしくない。
もう一度自らのプレーでチームを勝利に導いて、
野球の原点を示す―。
  
高校生はその姿を真似してほしい。
私が望むのは、これだけである。


            サンケイスポーツ専属評論家 野村克也氏

『自分を捨てる』ことなしにパのエースたちは攻略できない
2010年06月16日 (水) | 編集 |
サンケイスポーツ 『’10ノムラの考え』より

休養明けでノムラ筋全快!!

≪不思議の投手≫

どうして巨人打線が和田を打てないのか。
もちろん好投手ではあるが、納得しがたいのではないか。
和田は『不思議な投手』なのである。

この日(12日の交流試合3回戦 巨人対ソフトバンク)
和田が投げた104球のうち、なんと直球が半数近くを
占めていた。
140㌔前後の球速なのに、直球と変化球の割合はまるで
本格派投手の比率。
しかも小笠原とラミレスはその直球に空振り三振し、
阿部も直球を2度も簡単に打ち上げてしまった。

『球の出どころが見えないんです』―。
何度も楽天の打者たちに聞かされたものだ。
そのたび『だったら見やすくせい!!』と怒鳴った。
『見にくい』ばかり聞かされれば、
対戦のない打者でも暗示にかかる。
結局この日の巨人打線のように意識過剰になる。

球速があるわけではない。
際立って打てない球種もない。
ただ、フォームに特徴がある。

『左手が、投げる瞬間まで完全に体の後ろに隠れている』―。

それだけのことで、打者はタイミングが取れない。
投手の手首を見て反射的に始動する打者が多いからで、
この反射が無意識だから厄介なのだ。
和田の投法を私は
『いないいないばあ』と呼んでいた。
『いないいないばあ』にデーター分析は、あまり役に立たない。
『この球種に気をつけろ』と指示しても、
タイミングが合わせられないのだから、無意味なのだ。
そうなると個人の努力に頼るほかない。


≪セにない独自性≫


一昨年の楽天・山崎がそうだった。
いつもは足を上げた瞬間から『1、2の3』でタイミングを取るが、
和田相手のときだけは一瞬、バットを投手方向に倒して遠回りさせる。
こうして遅めの内角直球にタイミングを合わせて、
7打数6安打3本塁打した。
『見やすくせい!!』への、彼なりの答えだった。

山崎ほど打撃動作が大きくなければ、
『1、2の3』の『1』を省略して、『2』から始めて
コンパクトに備える。
これなら隠されたボールが見える瞬間からタイミングを取れる。

肝心なのは『いつもの自分』を捨てることだ。
交流戦でパがセを圧倒した。
和田以外にもダルビッシュ、杉内、涌井、岩隈・・・と、
パには他人がまねできない『独自性』を持った投手が多い。
セの打者から見れば『来た球を打つ』だけでは
攻略できない投手ばかり、ということだ。
その上、対戦が多くても2度しかない交流戦では、
極端な対策も立てられない。

逆にセには、打者が自分を捨てずとも攻略できる投手が多い
ともいえる。
これこそが『打てない』『勝てない』原因に
なっているのではないか。

これが私が推理した『パ高セ低』の結論である。


       サンケイスポーツ 専属評論家 野村克也氏




中心打者の低打率が先の読めない一因に
2010年05月12日 (水) | 編集 |
サンケイスポーツ専属評論家の野村克也氏(74)が、
今日の交流戦を前にシーズン序盤を総括した。
各球団の中心打者が揃って低打率という“異常現象”が
先の読めない一因になっていると指摘。
キーワードに『苦境を脱する術』を挙げ、
それを持つ選手、チームがレギュラーシーズンを
勝ち抜くと力説した。

【わかっていても前へ飛ばせない】

あまりに異様な状況ではないだろうか。
多くの球団の中心打者が、軒並み打率・250を下回っている。
「中心なき組織は機能しない」が私の持論とはいえ、
これほど中心がフラフラしたシーズンを見たことがない。
だから行方も混沌、といわざるをえない。
故障や2軍調整による規定打席不足などにとらわれず
名前を挙げれば、読者にも納得してもらえるはずだ。

セでは巨人・ラミネス、阪神・金本、横浜・村田、
ヤクルト・デントナ、ガイエル。
パは日ハム・稲葉、楽天・山崎、西武・中村、
ソフトバンク・松中・・・。
彼らは今季、共通する弱点を露呈している。
執拗な内角攻めを克服できないのだ。

打撃とは一言で言えばタイミングであり、
投手は「打撃フォームの壁を崩す」ことで、
打者にタイミングを取らせまいとする。
その手段が内角直球であり、外角低めのゴロゾーンへの
変化球である。


ネット裏からラミレス、村田、稲葉、山崎らが、
「内角とわかっていながら」前へ飛ばせない場面を
何度も見た。
「狙って振り切ればホームランにできる球」で打ち取られる。
真に怖い打者ならば、変化球で誘い、逃げてくるはずなのに
直球がくる。
内角を攻められる4番は真の4番ではない。
『一流』であれば、スランプを短くしなければならない。
だが、彼らには苦境を脱する術がない。
そのひとつは「狙う」か「捨てる」か覚悟を決めることだ。
内角球を狙うか、または1打席捨てる覚悟でボールを見送るか。
昨年まで山崎には
『内角を狙って、やっつけてこい!!』と言い続けた。


苦境を脱する術がない―。
それは今季、新監督を迎えた5球団
(横浜、広島、ロッテ、オリックス、楽天)の苦闘にも表れている。


【ロッテ西村監督 内部昇格の強み】

現時点でAクラスにいるのはロッテ1球団。
西村監督だけが他の新監督と違って「内部昇格」の強みを持っている。
ヘッドコーチとしてチームに足りないものを冷静に把握して
きたのだろう。
荻野貴の加入がその象徴であり、
西村監督の持つチームを知る強みもまた、一種の
『苦境を脱する術』だ。


巨人は、どこも弱みを持っているセ・リーグでは
頭ひとつ抜けているが、現状で投手力が昨年より不安定なことも
分かっている。
尾花投手コーチが横浜監督となって去り、
『苦境を脱する術』を知る人材がひとり欠けた。
好投手が揃ったパの各球団とぶつかる交流戦をどう勝ち抜くか。
巨人はそこで『今季の実力』が試されるとみるべきだ。


                 サンケイスポーツより 



~楽天・野村前監督が緊急入院 解離性大動脈瘤の疑い~
(5月12日19時41分配信 産経新聞)

プロ野球・東北楽天ゴールデンイーグルスの前監督、
野村克也さん(74)が、
都内の病院に緊急入院したことが12日、わかった。
関係者によると、野村さんは解離性大動脈瘤(りゅう)の疑いで
10日から入院しているが、命に別条はないという。


ゆっくり休んで下さい!!
『昨季2位はたまたまだった』と認識せよ!
2010年04月17日 (土) | 編集 |
名誉監督とは実に中途半端な立場だ。
現場やフロントに口を出せるわけではない。
だからといって、ただ『がんばれ』と言うのも柄ではない。

昨年の2位をどう評価しているか―。
ユニホームを脱ぐ際、私は球団に
『この2位はたまたまだ』と言い残した。
西武は前年日本一の反動があり、ソフトバンクは故障者続出。
ロッテは内部がガタついていた。
恵まれていたのだ。
その認識を誤ってはいけない。

選手が自信を持つのはいいが、ベンチの過信は困る。
この日(15日の対西武戦)、堤防が決壊するように4失点した
4回の守備。
分岐点は、無死一、二塁からの犠打野選だった。
捕手の藤井は明確に一塁を指示していたが、
ラズナーは三塁へ投げた。
意思の疎通がない。
こういうミスの後、外国人投手は『よく聞こえなかった』
ということが多いらしい。
発音が違うなら、事前に打ち合わせればいい。
ファーストを『ファー』、サードを『サー』など、
シグナルを省略しておくのだ。
また藤井のリードは単調だった。
ラズナーのカットボールしか信用しておらず、
右打者は外角一辺倒、左打者には内角への
カットボールが中心。
右の高山の2点二塁打は外角直球、左の上本の2点タイムリーは
内角カーブ。
単調な配球を読まれた。

本来、配球とは『信用する球で打ち取る』
瞬間から逆算して組み立てるものだが、
カットボールを生かすために内角直球を使う、などの意図は
見えなかった。
ブラウン監督は『初球はストライクから入る』ことを
好むという。
しかし、捕手の立場からすれば、初球は
『打者の狙い』を探るためにある。
1球で打ち取る球があればいいが、ラズナーのように
ゴロで打ち取る球種を持たない投手は結局、
球数を減らせない。


私は昨年、楽天のチームスローガンを『氣』とした。
ベンチでは『勝つ気があるのか?』と
叱咤を繰り返した。
相手の動きを読んで警戒する。
球種を絞ってヤマを張る。
そうした読み、準備を怠ることを
『勝つ気がない』としかった。

相手の動きを察知しようとしない、気配を読もうとしない
野球は、私の目にはただの
『調整試合』と映る。

そうしたプレーの積み重ねだから、
『調子任せ』で勝負が決まってしまう。
監督が選手を見ているように、選手も監督を見ている。
『選手には力がある。やってくれるはずだ』というのは、
信頼ではなく願望である。
その願望がかなわなかったとき、いったい誰が責任を取るのか―。


ヤクルトの監督をやめた後、後任監督の若松勉
(本紙専属評論家)は
「野村野球を継承したい」と言ってくれた。
阪神の監督を辞めた時、星野監督の参謀だった島野育夫に
「野村さんのいいとこ取りをさせてもらいます」と
あいさつされ、うれしかった。
すべて『継承』しろとは言わない。
だが、すべて『断絶』する必要はない。


選手間のコミュニケーションは、言葉の意思疎通が難しいなら、
『省略』で事が足りる。
ただし、監督の意思を選手に伝えるのは
『省略』で済ませられない。
確かなつながりが必要である。
ブラウン監督にアドバイスするとすれば、
グラウンドでのリーダーを決めることだ。
リーダーになりうる人材を探し、育て、とことん
『勝つ野球』を伝授し、チームに伝えさせる。
そうすることでチームに確かな一本の『線』が通される。


『勝つ気があるのか?』―。
もう一度、問いたい。
努力の方向性を、チーム全体で定めてほしい。
勝つためには『相手の動きを読む』という
当たり前のことを、当たり前にやるべきである。
これが継承されてゆくなら、それこそ
『名誉』なことだ。


    4/17付け サンケイスポーツ 『ノムラの考え』より