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新リーグの挑戦(下)
2007年12月15日 (土) | 編集 |
 『選手一人一人と県民が向き合う球団、全敗しても県民に
  愛されるチームにしたい』―。

 福井ミラクルエレファンツの清水昌勝・設立準備室代表は
 今月2日、福井市内で開いた記者会見で、
 『地域』『県民』という事場を何度も繰り返した。  
 北信越BCリーグは、来季、福井と群馬ダイヤモンドペガサスが
 加わり、名将を『BCリーグ』と改め、6球団体制となる。


 両球団が参入理由に挙げたのは、リーグの
 『スポーツを通じた地域活性化』とう理念に共感したこと。
  
 福井の清水代表は、
 『野球で地域貢献し、人口80万の地方でも球団経営が
  できるビジネスモデルを作りたい』
と語った。
 また、群馬の糸井丈之・球団設立準備委員会代表は、
 学習塾と連携した、勉強と野球が両立できる『野球塾』で
 地方の子供たちを育成する構想をぶち上げた。


 リーグは来季、『北陸』(富山、石川、福井)と
 『上信越』(長野、新潟、群馬)の2地区制を導入。
 年間72試合の半分を地区内で行い、
 地域内チームの対戦を増やして、さらに地域密着を進める。


 リーグ運営会社ジャパン・ベースボール・マーケティング
 (新潟市)の村山哲二代表は、
 『隣県同士の対抗意識やライバル心が、選手のプレーや
  集客にプラスに働く』ともくろむ。
 今季の首位攻防戦、石川ー富山戦で、リーグ最高の入場者
 8539人を記録したことを念頭に置いての発言だ。
  
 
 だが、信濃グランセローズ(長野)の施設応援団
 『レッドセローズ』の団長として、富山への応援ツアーなども
 企画した高校3年生永井敏喜さん(18)は、
 『初年度1,2の石川、富山と違う地区になるが、
  地区間で実力差が出ないだろうか。
  強いチームと戦ってこそ、観客も盛り上がるのに

 と心配する。



 四国アイランドリーグ(IL)にも来季、福岡レッドワーブラーズと
 長崎セインツが加わり、
 『四国・九州IL』としてスタートする。
 四国4県の人口は約400万人。
 6県に広がると、市場規模は一挙にBCリーグ6県分を
 上回る1000万人を越える。
 四国・九州IL事務局では、
 『スポンサーを見つけやすくなり、球団への分配金も増える』
 とスケールメリットに期待をかける。
 また、BCリーグと異なり、地区割りせず、6球団でカードを
 組むことから、
 『対戦がバラエティーに富み、試合内容も魅力が増す』
 (事務局)とみる。
  
 不安材料は、遠征費や選手の負担増だ。
 四国4球団は来季の遠征費を約400万円増の
 約1000万円と試算。
 
 四国での試合が多くなる長崎は約2000万円と見込む。
 移動時間も悩みの種だ。
 愛媛の選手は今年4月、徳島県鳴門市でナイターを
 終えた後、翌日にデーゲームがある松山市へ帰った。
 バスが着いたのは午前1時過ぎ。
 3年目の副西太志内野手(25)が、
 ユニホームを洗って床に就いたのは午前3時。
 それでも午前9時には球場へ入った。
 福西選手は、
 『慣れてきたけれど、体調管理が大変』とこぼす。
 九州から一番遠い、徳島から長崎市への移動はバスで
 11時間もかかる。  


 愛媛県出身のスポーツジャーナリスト・二宮清純さんは、
 『リーグが拡大すれば競争は激しくなり、
  選手の成長にもつながる。
  米マイナーリーグも、過酷な条件に耐えた者だけが
  大リーガーになっている』と、
 選手にエールを送る。


 BCリーグは、福島にも参入を呼びかけており、九州では、
 独自リーグの発足を目指す。
 2地区制に踏み切るBCリーグと、
 『大地域性』に乗り出す四国・九州IL。
 来季のそれぞれの取り組みは、拡大する独立リーグの
 将来を見通す試金石になる。


 
 
 
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新リーグの挑戦(中)
2007年12月14日 (金) | 編集 |
 プロ野球の大学生・社会人らのドラフト会議が開かれた
 11月19日。
 高知市中心部の飲食店街「ひろめ市場」に据え付けられた
 大型テレビから、四国アイランドリーグ・高知ファイティング
 ドックスの選手の名前が次々に流れると、広場は拍手と
 大きな歓声に包まれた。

 2005年に誕生した同リーグから、1年目には2人、
 2年目には3人がプロ入り。
 3年目の今年は、6人が指名を受けた。

 ロッテに育成枠で指名された高知の宮本裕司捕手(24)は、
 『あきらめかけていたが、地元の声援が支えになった』と、
 ファンと手を取り合った。
 摂南大(大阪)を卒業し、リーグ設立とともに入団。
 1年目にリーグMVPを獲得し、2年目は前期優勝に貢献した。
 『声がかかるとしたら今年が最後』と思っていただけに、
 笑顔がはじけた。

 球団のためにと、募金活動など支援の先頭に立った
 地元商店街新興組合の山本良喜事務局長も、
 『応援してきたかいがあった』と、
 我がことのように喜ぶ。

 野菜や米のプレゼントから、理髪店半額サービス、
 定食のご飯の大盛りまで。
 地域の人たちは、月給8~12万円で生活しながらプロを 
 目指す選手達を、自分たちができるやり方で支援する。
  

 地元球団と一緒に街づくりに乗り出す自治体も出てきた。  
 徳島県阿南市は今年5月、ナイター設備が整った球場の
 完成を機に、「野球のまち」推進を表明。
 リーグの試合を球場に誘致し、徳島インディゴソックスの
 選手と市民との交流会を開いている。
 「市民球団」感覚を根付かせ、地域の活性化も
 図ろうという作戦だ。
  

 一方、選手らも積極的に市民の中に飛び込んでいる。  
 愛媛マンダリンパイレーツや香川オリーブガイナーズは、
 下校する小学生に付き添う見守り活動を実践。
 徳島の片山正弘投手(23)は、
 出身地・阿南市の「野球大使」を引き受け、
 子供たちに野球を指導する。
  
 徳島県の佐藤勉教育長(60)は、
 『選手は、夢の実現に向かって努力する身近なモデル。
  交流は子供たちの励みになる』と強調する。
 

 リーグの観客動員数の1試合平均は、初年度1068人、
 2年目は800人台に落ち込んだが、3年目の今年は、
 1100人を記録した。
 球団側は、『地域に密着した活動で地元ファンが増え、
 入場者増につながった』(香川の小崎貴紀社長)と、
 地道な地域浸透策に手応えを感じている。
  

 だが、リーグの赤字は、初年度の約3億円から改善
 したとはいえ、依然として1億円に上る。
 しかも、4球団の拠点ごとにスポンサーとなる有力企業の
 有無などにばらつきがあり、
 経営面での格差が目立つようになってきた。
  

 1試合の観客数が563人と、リーグ半分だった高知は、
 スポンサー数も10社と4球団中、最も少ない。
 資金なんでオーナーが見つからず、一時、活動休止の危機に
 さらされた。
 今年の10月、公募でようやく、大阪市で不動産会社を
 経営する高知市出身の北古味鈴太郎さん(33)が
 引き受けたが、2年をめどに経営判断を下すと、
 厳しい姿勢を示す。

 
 リーグ最大の目標は、  
 『プロで通用する選手の育成』―。  
 それが実を結び始め、地域密着で固定客もつかみつつある。
 とはいえ、さらなる経営の安定化は、全球団にとって
 喫緊の課題だ。
  
 リーグ運営会社IBLJ(高松市)の鍵山誠社長は、
 『地域に根ざした球団の応援は、PR効果があることを
  地元企業に理解してもらいたい、
  スポンサーの獲得を進めたい』と話す。

新リーグの挑戦(上)
2007年12月13日 (木) | 編集 |
 『プロで通用する選手の育成』『地域新興』などを
 合言葉に設立された野球の独立リーグ。
  
 初シーズンを終えた北信越BCリーグ(来季からBCリーグ)
 と、3年が経過した四国アイランドリーグ
 (同、四国・九州アイランドリーグ)から、
 リーグを取り巻く課題を探る。  


 金沢市のスポーツ広場。
 石川ミリオンスターズの大川裕士二塁手(19)は、
 午後3時過ぎ、同僚選手の車に便乗して、
 駐車場に着いた。
 すぐに車内で着替え、来季の契約選手16人で寒風の中、
 ランニングを始めた。
 シーズンオフに入った11月から、他の選手と一緒に、
 同じ運送会社で仕分け作業のアルバイト。
 午前8時から働き、終わったらすぐ合同練習に駆けつける。
 コーチ2人が来ると、室内練習場で技術指導を受け、
 6時から近くのジムで筋力トレーニングに励む。
 『冬こそ、レベルアップの勝負どころ』と意気込む。  

 常総学院(茨城)で甲子園に出場した大川選手は今春、
 専修大に進んだ。
 だが、『プロの指導を受けたい』と大学を中退。
 7月から元西武の金森栄治監督(50)率いるチームに
 加わった。
 

 独立野球リーグの北信越BCリーグは今年4月、
 新潟、長野、富山、石川の4球団でスタートした。
 初年度、1試合あたりの平均失策数は1.4個、
 平均四死球は5.1個。
 プロ野球セ・パ両リーグ合わせた今季の平均失策数
 0.5個、四死球3.1個と比べると、
 レベルの違いは明らか。
 『地域密着』を理念の第一に挙げるリーグだが、
 初めて迎えるオフに、『選手育成』の課題を抱えることに
 なった。
  

 オフ中、選手は無給で、働き口を見つけなければならない。
 シーズン中の7ヶ月間は月給が支払われるが、
 15万円が基本。
 活躍度によってプラスもあるが、最高でも20万円しか
 受け取れない。
  

 富山サンダーバーズの鈴木康友監督(48)は、
 『オフは、来季、野球に集中できるようにお金を蓄える
  とともに、足りない技術を補う期間』と位置づける。
  

 スポンサー企業が全員を雇ってくれる石川の選手は、
 そろって練習できるが、他の3球団では、
 仕事探しも練習も個人に任されるケースが少なくない。
 富山では、県外出身の川端英治内野手(25)ら3人が、
 福岡県などの実家に帰る。
 県内に残る選手は、居酒屋やコーヒー店、配達業務などの
 アルバイトをし、週3回、球団が借りている室内練習場
 などで汗を流す。
 新潟アルビレックスBCも週3回程度、合同練習をするが、
 あとは自主練習。
 信濃グランセローズは、ほぼすべて自主練習に任せる。

 四国アイランドリーグ・香川オリーブガイナーズの監督を
 2年間務め、来季、新潟の監督に就任する芹沢真矢さん
 (49)は、
 『与えられた環境で工夫が出来ない選手は、
  独立リーグでは生き残れない』と言い切る。
 
 リーグ運営会社ジャパン・ベースボール・マーケティングは、
 『多くの観客が足を運びたくなるような試合をすれば、
  オフにも固定給を払えるようになる』
 (池田拓史・運営広報)とする。
 だが、今季のリーグの観客数は、1試合平均1790人。
 目標の5000人には遠く及ばない。

 新潟の鴨下瞬投手(22)は、車で1時間半かけて
 酒造会社に通い、夕方4時まで8時間、
 酒の仕込などのアルバイトをする。
 『自分はまだ「セミプロ」だから、仕事をしながらの練習は、
  仕方ない。
  オフの間に成長し、ファンを喜ばせられる、
  本当のプロになりたい』―。


≪北信越BC(ベースボール・チャレンジ)リーグ≫

 野球を通じた地域の活性化を目指し、
 四国に次ぐ国内2番目の独立リーグとして誕生した。
 加盟4チームは、独立採算制で球団を運営し、
 年間各72試合を戦う。
 選手は1球団25人。
 トライアウトなどで、プロを目指す若者だけでなく、
 元プロ選手も受け入れている。
 リーグ運営会社は、野球教室やイベントなども開催する。


 
独立リーグの挑戦
2007年06月02日 (土) | 編集 |
 日本初の独立リーグは3年目に入りました。
 四国アイランドリーグ。
 1人でも多くセ・パ両リーグで活躍できる選手を育成、
 目指しているが、選手は育っていても経営面では
 厳しい状況に直面しています。
  
 
 去年12球団によるドラフト会議。
 四国アイランドリーグからは2人の選手が指名を受けました。
 これまでにアイランドリーグは、巨人やロッテなど
 5つの球団に5人の選手を送り込んでいます。
 セ・パ12球団にチャレンジの場を提供したいと
 発足した、四国アイランドリーグ。
  

 今、抱える最大の課題は、経営をいかに安定させるか
 ということ。
 去年の観客数は1試合平均806人。
 最低ラインの1500人を大きく下回る
 1億5千万円の赤字を計上しました。

 リーグの社長鍵山誠氏は、四国という小さな舞台では
 集客にも限界があると感じている。
 人口400万人しかいないマーケットでやっている以上、
 どうやってハンドリングしていくか、
 今そこに頭を悩ませている。

 3年目の今年、徹底した支出の削減に取り組んでいる。
 愛媛マンダリンパイレーツの本拠地『坊ちゃんスタジアム』
 (松山市)。
 これまでホームゲームの2/3を開催してきました。
 しかし、球場の使用料は最高で40万円ほど。
 大きな負担になっていました。

 そこで、目をつけたのが圏内の地方球場です。
 広さや設備など、条件を満たす球場は11ヶ所。
 中にはわずか1万円で使用できる所もあります。
 今年7割ほどの試合を、こうした地方球場で
 行うことにしました。

 更に球団は、少しでも人件費を抑えようと努力しています。
 球団職員の鶴原琢哉さんは各地を回り、試合の運営に必要な
 ボランティアのスタッフを集めています。
 地元の青年団や市役所、小中学校など、2週間で50件を周り、
 協力を依頼してきました。
 5月5日、県南部宇和島市内で開かれた試合。
 (宇和島市営九山球場)
 80人を超えるボランティアスタッフが集まりました。
 施設が古い地方球場は、スコアボードの得点表示も
 全て手動です。
 地元中学校、野球部員が担当しました。
 この日の運営費は、松山市で開かれる試合に比べ
 およそ1/40に抑えることが出来ました。

 『お金の無い中で、どう工夫するかということが
  大事なことで、そこを意識しながら こういうことを
  ひとつずつ続けていくだけだね』―。
 愛媛マンダリンパイレーツ・鶴原琢哉さんは言う。
  

 ぎりぎりの経営努力を続けながらアイランドリーグは
 更なるレベルアップを図っています。
  
 去年から本格的に始めたのが、セ・パ両リーグとの
 交流戦です。
  
 交流戦には、セ・パ両リーグのスカウトが訪れるようになり、
 活躍が認められ入団した選手もいます。

 『去年度は体力も出来てないし、点が入るような感じが
  無かったが、毎年やっているとバットもよく振れてきてるし
  守りもすごくうまくなってきてますね』―。
 中日スカウト・鳥谷金二氏は答えていた。

 月に1回のペースで開かれる交流戦。
 これまでにセ・パ7球団と対戦し、成績はほぼ互角。
 1試合の平均観客数は2200人。
 レギュラーシーズンの2倍以上と集客にもつながりました。
 レベルの向上を図り、ブランド力を高めることは
 経営面でも大きなメリットがあるとリーグは考えています。
  
 四国アイランドリーグ・鍵山誠社長は、
 『野球の質という部分においては、マーケットが大きくても
  小さくても、やり方次第である一定のレベルが保てるので
  どう四国リーグの価値を高めていくか、ということが
  実際やらなければならない重要な仕事だと
  思っています』―。
  

 確実にリーグとしての実力は高まってはいても、
 経営の安定という面では非常に難しい局面だということだが、
 設立当時からセ・パ12球団に選手を送り込んだ、
 という目標があったので、その意味で12球団に
 5人が入ったという事は成功と言ってもいいと思います。  
 ただ、やはり経営面に結びつかないのは悩みだと思いますが
 愛媛のチームの場合、松山以外での地方都市での開催を
 増やしたり、地元出身の選手を積極的に球団に入れる、
 という事で、もう一度地元との関係というものを見直して、
 密着の方向に行っているのではないでしょうか。
  

 独立リーグにとって、技術面を向上させ、そして同時に
 地域に長らく支持してもらえるように
 ならなくてはならない。
 ただ、それには課題を抱えているとも言える。
  

 人気選手が生まれた場合、おそらくセ・パ12球団に
 ドラフトされて移籍してしまう。
 そうなると、人気があった選手が居なくなってしまう。
 そして観客動員の面でも、それで影響が出てしまう。
  

 選手の育成と地域密着、人気の定着。
 これをどう図るか―。
  
 これはなかなか矛盾しているので、難しいとは思いますが
 この両輪をうまく回していくのが、独立リーグの
 成功のポイントになるのではないでしょうか。
  

 どんどんいいプレーが出ていくごとに、魅力も増していく
 ということで、選手達にも新たなプロ野球で活躍する場が
 得られたということで、独立リーグが出来ることによって
 ドラフトのあり方なども変わってくるのではないだろうか。


 だが、独立リーグの選手がセ・パ12球団のプロに行く
 ためにはドラフトが必要で、その後は非常に門が狭いという
 ことで、実際面で影響力を持つかどうかは
 まだまだ難しい問題になりそうだ。

 ただし、今までのドラフトは選手にとってみれば
 非常に入り口が狭い。
 そこに、やはり不正なドラフト、スカウト活動が生まれる。
 素地があったと思うが、こうした独立リーグが増えていくと
 セ・パ12球団にとってみれば、選手を選べる機会が
 増えるということで、健全な選手のスカウト活動の
 一環になっていくのでは、という期待はあります。
  

 ドラフト以外で選手達がプロへ行ける道しるべとは
 今後提案として考えていきたいのがポスティング。


 昨年大リーグに松坂大輔投手が移籍するにあたって
 ポスティングという言葉が非常に日本でも理解されたが、
 独立リーグの選手を獲得する場合、
 セ・パ12球団は、ポスティングによって
 交渉料を球団に払う、というようなことを行っていけば、
 経営面でも独立リーグは助かると思うし、
 セ・パ12球団にとっても新たな人材の供給源が
 確保できるということで、マイナスにはならないと思います。
  

 独立リーグで地域のスターになる若い時期、
 一定の期間野球に没頭する環境がある、ということでも
 ひとつの成功、ゴールになると思います。
  

 また、地域にとっては地元の野球チームができて
 それを応援していく“自分のチーム”として育てていく、
 そして優秀な選手はセ・パ12球団に送り出すなど、
 そういったイイ関係が築けていけば、
 独立リーグ存在価値が高まっていくのではないでしょうか。

 
 
独立リーグの挑戦
2007年05月14日 (月) | 編集 |
 バスに揺られ地方の球場を渡り歩く男達。
 この春に誕生したプロ野球リーグの選手達です。

 北信越BCリーグ。

 選手達はひとたびグラウンドに立つと、気迫溢れるプレーで
 観客を沸かせます。
 地域の人達と選手の距離が近いのも、
 このリーグの魅力です。
  
 
 プロ野球に触れる機会が限られていた今、
 次々と誕生しているのが、新たなプロ野球、独立リーグ。
  
 日本のプロ野球といえば、セ・パ12球団のフランチャイズ。
 本拠地はかつては関東や関西、愛知、広島に集中していました。
 現在では北海道に日本ハム、東北に楽天そして福岡に
 ソフトバンク・フォークスと全国的に広がってきています。
 セ・パ12球団のフランチャイズが無い地域に誕生している
 のが、独立リーグです。
  

 日本初の独立リーグとなったのが一昨年誕生した
 四国アイランドリーグ。
 そして今年、北信越BC(ベースボールチャレンジ)が
 生まれました。
 そして来年には九州にも設立が予定されています。

 新人獲得競争の過熱で、セ・パ12球団が不正なスカウト
 活動に大きく揺れている中で、これまでプロ野球の
 空白地帯だったところに誕生している独立リーグ。
 プロ野球の裾の広がりは、選手育成だけでなく、
 これまでのプロ野球と違った野球文化を育んでいくことに
 なるのでしょうか。
  
 今回は、地域密着を掲げて今年誕生した
 北信越BCリーグの動きを紹介したいと思います。


 今年の大型連休。
 北信越地方では、新たに誕生したプロ野球を見るために
 1試合平均4千人を越すファンが球場に詰め掛けました。
 これまでセ・パ両リーグの遠征試合が年に5試合程度だった
 この地域で、毎週末プロ野球が見られるようになったのです。

 北信越BCリーグには新潟・長野・富山・石川の4つの県の
 チームが参加し、それぞれ年間72試合を戦い
 優勝を決めます。
 最大の特色は、地域密着です。
 特に長野県の信濃グランセローズは、25人の選手の半数
 近くが、地元出身です。
 球団の経営を任せられたのは三沢今朝冶さん。
 大リーグで活躍していた新庄選手を獲得をし、日ハムを
 地域に愛されるチームに育てました。

 しかし、信濃グランセローズでは資金が限られているので
 スタープレーヤーは雇えません。
 そこで三沢さんが目に付けたのが、
地元でプロを目指していた若い選手達でした。
  
 『地域密着型ということで、地域の人達に愛される球団
  “おらがチーム”というかな、そういうような
  チームができたらな、と思っている』―。
  
 三沢さんが選んだ1人が21歳の外野手、町田孝行さん。
 この春まで長野市のバッティングセンターで働いていました。
 高校時代、地元の名門校でレギュラーとして活躍してた
 町田選手。 卒業後にプロ入りを目指しましたが、
 夢は叶いませんでした。
 バッティングセンターで子供達に教えていた所、BCリーグ発足。
 プロ野球選手の道を歩み始めました。  
 
 4月28日の開幕戦。
 町田選手は一番バッターに起用されました。
 センター前ヒット。続く2打席目も、内野ゴロでも1塁に
 ヘッドスライディング。
 気迫溢れるプレーで観客を沸かせます。
 三沢さんはファンの為に体を張ったプレーをする選手
 一人一人に労いの言葉をかけます。
 『町田、ヘッドスライディングするのはいいけど、
  手を気をつけろよ、滑るとき指は絶対に上に挙げてな』―。

 三沢さんが目指すのは、地域の人達に支えられる
 プロ野球チームです。
  
 選手25人の月給は、1人15万円~20万円。
 それに、球場の使用料などを含めて、年間の支出は
 1億6千万円程度です。
 これを支えるのが、県民や地元企業です。  
 1人千円の入場料、それに個人で1万円、企業で3万円の
 後援会費など、広く薄くお金を集めようというのです。
 県民の間では、地元出身の選手を支えようという動きが
 出てきました。
  
 長野県北部飯山市出身のピッチャー小林史也さん、21歳。
 少年野球時代の監督や、高校野球部OBなどが
 後援会を立ち上げました。

 大型連休中、チームは2勝3敗1引き分け。
 連戦連勝とはいきませんでしたが、スタンドは日に日に
 盛り上がっていきました。
 町田選手がバッティングセンターで野球を教えていた
 少年達も駆けつけていました。
 町田選手に“新しい野球道具を買って欲しい”―。
 少年達はお小遣いの中から500円ずつ出し合い
 町田選手に贈りました。
  
 『今まで一緒にやっていたから、身近な人みたいな感じで』
 『自分も目標にしたいと思います』

 試合後選手達は必ず観客を見送ることにしています。  
 小林投手の後援会では、月給が15万円程度だと聞いて
 差し入れを持ってきました。
 中身は梅干やレトルト食品などでした。
 『非常に嬉しいです。今後の励みになります』

 地元ファンとチームの距離が近い信濃グランセローズ。
 大型連休中の観客動員数は予想を大きく上回りました。
 『本当に嬉しいです。みんな、あったかい人達ですよね。
  これからもいい試合し続けて更に応援に来てもらわなくては
  いけないな、と思いますよ』―。
 三沢さんは地元の人達への心配りとこれから先のチームの
 発展、向上へ期待感を膨らませて語っていました。

 セ・パ12球団の場合は、やはり日本の最高の技を見るという
 楽しみがあるが、BCリーグは地元密着、自分のチームを
 応援するという熱というものを感じる。
  
 ただ、経営努力もあり、例えば信濃のチームの場合は
 長野県にある81の自治体を回り、後援会の組織を作りを
 お願いしたり、少年野球チームを指導する傍ら
 バックアップをお願いしたりして、観客動員数を増やしている
 ように思えました。

 地元密着によって、クラブスポーツ文化を成功させたという
 ことで、Jリーグは非常に大きな役割を果たしてきたと思うし
  
 今回BCリーグには新潟アルビレックスが加盟していて、
 Jリーグだけではなく、バスケットチームなども成功して
 いて、今回Jリーグで培ったスポーツマネージメントの
 ノウハウを、野球にも応用していこうということで、
 非常に期待が持てると思います。
  

 選手の半数が地元出身ということは、観客にとっても
 大変喜ばしいことだと思いますし、応援の熱気にも
 つながっていくと思います。
  

 今各地セ・パ12球団のフランチャイズが無い所に
 独立リーグが出来ている背景は、突然というよりも
 社会人野球チームが無くなってきた空洞化を埋める意味が
 あったのだと思います。
 1990年代半ば、バブル経済崩壊後、次々と社会人
 野球チーム無くなって、選手がプレーしたくても
 出来なかった状況で独立リーグが
 その活躍の場を与えたのです。