2009年11月07日 (土) | 編集 |
昨日に引き続き、2008年03月27日 (木) 付けブログに載せた
松井秀喜の記事をご紹介します。
ヤンキース・松井秀喜外野手(33)が大リーガーになった今でも
重視している練習が『素振り』だ。
キャンプでは部屋で振り込む。
野球少年や高校球児、草野球命の会社員らに向けた
ゴジラ流素振りの極意とは・・・。
『投手の姿を思い描き、球種とコースを考える。
球の高低、内外角。
直球を打ちにいきカーブのタイミングで打つとか、
自由な想像も素振りでは可能。
僕はどの球、コースでもセンターに打ち返すイメージで振ります』。
また、「明日対戦する投手」や「前回打ち取られた投手」など、
相手をより具体的に設定すると効果的だという。
大事なのは「ただ振る」のではなく、
「本番をイメージして振る」こと。
『音でスイングの切れを確かめる。
鋭いと空気を切る音がビュッとする。
鈍いと音がボワッと割れる。
音の違いは長嶋(巨人終身名誉)監督とやっているうちに
分かるようになりました』―。
この域に達すれば、あなたも大リーガーになれるかも・・・。
サンケイスポーツ 阿見俊輔氏
松井秀喜の記事をご紹介します。
ヤンキース・松井秀喜外野手(33)が大リーガーになった今でも
重視している練習が『素振り』だ。
キャンプでは部屋で振り込む。
野球少年や高校球児、草野球命の会社員らに向けた
ゴジラ流素振りの極意とは・・・。
『投手の姿を思い描き、球種とコースを考える。
球の高低、内外角。
直球を打ちにいきカーブのタイミングで打つとか、
自由な想像も素振りでは可能。
僕はどの球、コースでもセンターに打ち返すイメージで振ります』。
また、「明日対戦する投手」や「前回打ち取られた投手」など、
相手をより具体的に設定すると効果的だという。
大事なのは「ただ振る」のではなく、
「本番をイメージして振る」こと。
『音でスイングの切れを確かめる。
鋭いと空気を切る音がビュッとする。
鈍いと音がボワッと割れる。
音の違いは長嶋(巨人終身名誉)監督とやっているうちに
分かるようになりました』―。
この域に達すれば、あなたも大リーガーになれるかも・・・。
サンケイスポーツ 阿見俊輔氏
2009年11月06日 (金) | 編集 |
松井秀喜ワールドシリーズ優勝&MVPおめでとう!企画
2008年05月20日 (火) 付け ブログに載せたものを
ここで再度、ご紹介します!
ボールを見極める“間”は、『バッティングの命』。
時に、はかないものだ。
つかんだと思えば、すうっと消えている。
『打撃のリズムを「イチ、ニィ〜の、サン」だとしたら、
「イチ、ニィ〜」が勝負。
トップに入るまでの、打ちに行く時の“間”が大切なわけ』―。
技術の根っこだ。
重心を軸足となる左足の内側に残したまま、ボールを待ち、
打ちに行く。
テークバックと右足のステップがうまく調和することで、
バランスは保たれる。
これがピタリとはまっている時、瞬間を逃さない。
0コンマ何秒でやって来るボール。
それを長く見ている感覚を手にする。
そんな時は、
『打席の中で余裕がある。
どんなボールも打てそうな気がする』―。
球界屈指の左腕サンタナ(メッツ)は、格好の物差しだ。
昨年7月4日、二回に右翼席へ放った同点ソロは、
『技術の裏付け』。
月間13本塁打でMVPを取る7月は、そうして始まった。
今月17日はボール球にも手を出し、完敗の3打数無安打。
17試合連続安打があった今季も、
間を手にしかけたが、長続きしなかった。
イメージと感覚を重ね合わせ続けるのは難しい。
自分の打撃理論では、ステップの幅とトップの位置は
絶対的なものがある。
それでも、構え方に始まり、ステップの仕方やテークバックの
取り方、そのタイミングなど、組み合わせは限りない。
疲労や、昨季であれば、ひざの痛みといった要素も
感覚を惑わせる。
小1の頃。
稲刈りの終わった田んぼで、初めて打球があぜ道を越えた。
初本塁打だ。
『子どもの頃は、何も考えずに打っていた。
むしろ一番いいスイングだったりして』―。
そう豪快に笑った後で真顔になる。
『打撃は、どんどん難しくなる。
(身を置く)レベルに合わせて、自分なりに求めるものが
多くなるから』―。
6月で34歳。
体が更に強くなり、パワーが増すとは思っていない。
だからこそだ。
『技術がこれからの勝負になる。
技術を高めていくことが、
僕の野球人生で大きなポイントになる』―。
一球、一振りごとに、より良い“間”の模索は続く。
きょう、打つためだけではない。
それは成熟へ、必要な道のりでもある。
読売新聞 『松井秀喜’08』より
小金沢智氏
2008年05月20日 (火) 付け ブログに載せたものを
ここで再度、ご紹介します!
ボールを見極める“間”は、『バッティングの命』。
時に、はかないものだ。
つかんだと思えば、すうっと消えている。
『打撃のリズムを「イチ、ニィ〜の、サン」だとしたら、
「イチ、ニィ〜」が勝負。
トップに入るまでの、打ちに行く時の“間”が大切なわけ』―。
技術の根っこだ。
重心を軸足となる左足の内側に残したまま、ボールを待ち、
打ちに行く。
テークバックと右足のステップがうまく調和することで、
バランスは保たれる。
これがピタリとはまっている時、瞬間を逃さない。
0コンマ何秒でやって来るボール。
それを長く見ている感覚を手にする。
そんな時は、
『打席の中で余裕がある。
どんなボールも打てそうな気がする』―。
球界屈指の左腕サンタナ(メッツ)は、格好の物差しだ。
昨年7月4日、二回に右翼席へ放った同点ソロは、
『技術の裏付け』。
月間13本塁打でMVPを取る7月は、そうして始まった。
今月17日はボール球にも手を出し、完敗の3打数無安打。
17試合連続安打があった今季も、
間を手にしかけたが、長続きしなかった。
イメージと感覚を重ね合わせ続けるのは難しい。
自分の打撃理論では、ステップの幅とトップの位置は
絶対的なものがある。
それでも、構え方に始まり、ステップの仕方やテークバックの
取り方、そのタイミングなど、組み合わせは限りない。
疲労や、昨季であれば、ひざの痛みといった要素も
感覚を惑わせる。
小1の頃。
稲刈りの終わった田んぼで、初めて打球があぜ道を越えた。
初本塁打だ。
『子どもの頃は、何も考えずに打っていた。
むしろ一番いいスイングだったりして』―。
そう豪快に笑った後で真顔になる。
『打撃は、どんどん難しくなる。
(身を置く)レベルに合わせて、自分なりに求めるものが
多くなるから』―。
6月で34歳。
体が更に強くなり、パワーが増すとは思っていない。
だからこそだ。
『技術がこれからの勝負になる。
技術を高めていくことが、
僕の野球人生で大きなポイントになる』―。
一球、一振りごとに、より良い“間”の模索は続く。
きょう、打つためだけではない。
それは成熟へ、必要な道のりでもある。
読売新聞 『松井秀喜’08』より
小金沢智氏
2009年11月04日 (水) | 編集 |
サンケイスポーツ 『なるべく週刊エモト!〜江本孟紀〜』より
辛口トーク連載、今週のテーマは『投手による捕手論』。
エモやんが投手の立場から見た名捕手の条件とは、
リードよりも打力。
今季限りで米大リーグのマリナーズを退団、
阪神入りが決まった城島健司捕手(33)の
日本球界復帰をチクリと刺しながら、
捕手育成の重要性を説いた。
〜巨人はいい補強〜
―先週はドラフト会議が開かれた
『それぞれの球団がチーム事情に沿ったいい指名をしたと思う。
オリックスが投手ばかり5人を指名したりね。
中でも巨人が育成を含めて3人も捕手を指名したのが良かった。
日本の球団は捕手が少なすぎるよ。
1チームあたり6,7人しか捕手登録されていないやろ』
―全体の指名選手中、捕手は7人だった
『少ないね。メジャーのキャンプでよく見かけるのは、
1ヶ所に何十人もの捕手を並べて同じ練習をさせている風景。
激しい競争の中から1人出てくればいい、という考えでやっている。
それくらい重要なポジションだよ。
日本も捕手のスター選手を作る努力をしなきゃ』
―投手から見た名捕手の条件とは
『肩が強くて捕球時にミットが流れない、
打者心理を読むのがうまいとか色々あるが、
打撃と両立できなければ名捕手とは呼ばない。
むしろ打てるようになるのが先よ。
田上(ソフトバンク)も打てるようになったから使われたと思う。
打つ方でチームの柱になれるような選手であることが条件だね』
―打力重視の理由は
『安心して投げられるからよ。
レギュラーなら捕手も打力で年俸を査定されるから、
打撃が好調な方が気分良く球を受けてもらえる。
捕手といえばまずリードが評価対象にされるけど、
大事なのは投手が投げたい球をスッと要求できるかどうか。
勝利投手インタビューで「リードのおかげです」と言うのは礼儀よ。
それを真に受けて、捕手はリードが全てと考えるのはどうかな』
―そんな中で強打の捕手、城島が日本球界に復帰
『出番がないから日本に戻ってきた、というのはおかしいと思う。
何かもうちょっと納得することを言わないと。
それでもすぐに声がかかったのは、いかに日本に打てる捕手が
不足しているかということだよ』
〜打てる捕手 不足〜
―阪神は相当期待していると思うが
『働いてもらわなアカンけど、以前(ダイエー時代)のような成績を
残せるかは疑問だね。
狩野を外野に回すのも良く分からない。
城島と併用すればいいじゃないか。
捕手で育てる方がチームのためにもいいとおもうけどね。
すぐにヨソからとってきて・・・。
まあ、それについては次の機会にしておこうか』
辛口トーク連載、今週のテーマは『投手による捕手論』。
エモやんが投手の立場から見た名捕手の条件とは、
リードよりも打力。
今季限りで米大リーグのマリナーズを退団、
阪神入りが決まった城島健司捕手(33)の
日本球界復帰をチクリと刺しながら、
捕手育成の重要性を説いた。
〜巨人はいい補強〜
―先週はドラフト会議が開かれた
『それぞれの球団がチーム事情に沿ったいい指名をしたと思う。
オリックスが投手ばかり5人を指名したりね。
中でも巨人が育成を含めて3人も捕手を指名したのが良かった。
日本の球団は捕手が少なすぎるよ。
1チームあたり6,7人しか捕手登録されていないやろ』
―全体の指名選手中、捕手は7人だった
『少ないね。メジャーのキャンプでよく見かけるのは、
1ヶ所に何十人もの捕手を並べて同じ練習をさせている風景。
激しい競争の中から1人出てくればいい、という考えでやっている。
それくらい重要なポジションだよ。
日本も捕手のスター選手を作る努力をしなきゃ』
―投手から見た名捕手の条件とは
『肩が強くて捕球時にミットが流れない、
打者心理を読むのがうまいとか色々あるが、
打撃と両立できなければ名捕手とは呼ばない。
むしろ打てるようになるのが先よ。
田上(ソフトバンク)も打てるようになったから使われたと思う。
打つ方でチームの柱になれるような選手であることが条件だね』
―打力重視の理由は
『安心して投げられるからよ。
レギュラーなら捕手も打力で年俸を査定されるから、
打撃が好調な方が気分良く球を受けてもらえる。
捕手といえばまずリードが評価対象にされるけど、
大事なのは投手が投げたい球をスッと要求できるかどうか。
勝利投手インタビューで「リードのおかげです」と言うのは礼儀よ。
それを真に受けて、捕手はリードが全てと考えるのはどうかな』
―そんな中で強打の捕手、城島が日本球界に復帰
『出番がないから日本に戻ってきた、というのはおかしいと思う。
何かもうちょっと納得することを言わないと。
それでもすぐに声がかかったのは、いかに日本に打てる捕手が
不足しているかということだよ』
〜打てる捕手 不足〜
―阪神は相当期待していると思うが
『働いてもらわなアカンけど、以前(ダイエー時代)のような成績を
残せるかは疑問だね。
狩野を外野に回すのも良く分からない。
城島と併用すればいいじゃないか。
捕手で育てる方がチームのためにもいいとおもうけどね。
すぐにヨソからとってきて・・・。
まあ、それについては次の機会にしておこうか』
2009年11月02日 (月) | 編集 |
中村計 = 文
西武か……。
この感じ。
1985年、PL学園の清原和博を引き当てたとき。
また、1998年、横浜高校の松坂大輔の交渉権を獲得したときの
「感じ」がフラッシュバックした。
先日のドラフト会議で、
花巻東の菊池雄星が次に着ることになるユニフォームの色が
ほぼ決まった。
西武のレジェンドブルーだ。
それにしても、西武は引きが強い。
〜清原、松坂を継ぐスーパースター候補・菊池をどう育てる?〜
西武の育成システムは評価が高い。
それは誰しもが認めるところだろう。
だが、こと清原、松坂という超一流クラスの選手となると、
どこか「力を持て余していた」という印象も拭えない。
先日、ある北海道日本ハムの関係者がこんな話をしていた。
「昔、巨人の選手はお客さんが入るから気を抜けない、
だからうまくなる、って言われていた。
それが今の日本ハムを見ていて本当によくわかりましたよ」
日本ハムのダルビッシュ有がその才能を遺憾なく発揮しているのは、
連日のように熱狂的なファイターズファンで埋まる
札幌ドームの環境と無縁ではあるまい。
楽天における田中将大もそうだ。
観客の大声援が、最後の最後まで
チューブの中の歯磨き粉を使い切るように、力を絞り出させるのだ。
最も自分を磨かなければいけない時期に、
2人は本当にいい球団に入ったと思う。
西武も「埼玉西武」に変わってから、
徐々に平均観客動員数を伸ばしている。
今年も、福岡ソフトバンク、北海道日本ハムに次いで
パ・リーグでは多かった。
トータルの観客動員数でも、
ホーム球場の収容人数が多いというのもあるが
東北楽天を上回ってさえいる。
だが、やはり楽天の方が地域に根差した一体感がある。
熱がある。
〜一流選手にふさわしい西武ドームの熱気が欲しい〜
一流選手には一流選手にふさわしい舞台というものがある。
ましてや清原や松坂のように高校時代、
超満員に膨れあがった甲子園球場の興奮を知っている者なら、
観客が半分にも満たないスタンドに寂しさを覚えるのも無理はない。
その昔、「清原は大舞台に強い」とか
「松坂は大舞台に弱い」と言われたように、
舞台が大きくなればなるほど気分が乗ってきたり、
また逆に気持ちが空回りしてしまっていたのは、
常日頃、ホームにしているグラウンドの環境が
影響していたのではないだろうか。
手を抜いていた、とまでは言わない。
でも人間など、そういうものだ。
人が見ていればいるほど力の水位は上がる。
また、人に見られている時の感覚を知っている者ほど、
誰も見ていなければ力の水位は下がる。
〜「世界の宝」菊池を西武の営業サイドがどう活かすか?〜
ユニフォームを着た西武のスタッフの優秀さはもうわかっている。
だから、「世界の宝」とまで言わしめた菊池の才能を
どこまで活かすかは、
それ以外のスタッフたち、営業サイドの人間の力に
かかっていると思うのだ。
菊池も超満員の甲子園球場の味を知っている選手だ。
かといってタイプ的に観客の多寡によって
力を調整するような選手でもない。
普通にやってさえいれば、それなりに力は出すだろう。
だが、我々は最高の素質を備えた選手が
常に100%の力を出すところを見たいのだ。
もっといえば、101%、102%の域に達する瞬間を見たい。
〜地域球団として埼玉県にしっかり根ざしたチームを!〜
それに必要なのは、地元の西武ファンの熱のこもった大声援だ。
過去、西武は清原、松坂というスター選手をつかみながらも、
それを永続的な球団人気につなげることができなかった。
3度目の正直だ。
今度こそ、地域球団として埼玉県にしっかりと根付かせて欲しい。
球団のためにも、菊池のためにも、野球界のためにも、
このチャンスを絶対に逃さないでもらいたいものだ。
〜筆者プロフィール 中村計〜
1973年千葉県出身。
ノンフィクションライター。
某スポーツ紙を経て独立。
『Number』(文藝春秋)、『スポルティーバ』(集英社)などで執筆。
『甲子園が割れた日 松井秀喜の5連続敬遠の真実』(新潮社)で
第18回(2007年度)ミズノスポーツライター賞最優秀賞受賞。
他に『佐賀北の夏』(ヴィレッジブックス)、
共著に『早実vs.駒大苫小牧』(朝日新書)などがある。
『雪合戦マガジン』の編集長も務める。
趣味は、落語鑑賞と、バイクと、競艇。
西武か……。
この感じ。
1985年、PL学園の清原和博を引き当てたとき。
また、1998年、横浜高校の松坂大輔の交渉権を獲得したときの
「感じ」がフラッシュバックした。
先日のドラフト会議で、
花巻東の菊池雄星が次に着ることになるユニフォームの色が
ほぼ決まった。
西武のレジェンドブルーだ。
それにしても、西武は引きが強い。
〜清原、松坂を継ぐスーパースター候補・菊池をどう育てる?〜
西武の育成システムは評価が高い。
それは誰しもが認めるところだろう。
だが、こと清原、松坂という超一流クラスの選手となると、
どこか「力を持て余していた」という印象も拭えない。
先日、ある北海道日本ハムの関係者がこんな話をしていた。
「昔、巨人の選手はお客さんが入るから気を抜けない、
だからうまくなる、って言われていた。
それが今の日本ハムを見ていて本当によくわかりましたよ」
日本ハムのダルビッシュ有がその才能を遺憾なく発揮しているのは、
連日のように熱狂的なファイターズファンで埋まる
札幌ドームの環境と無縁ではあるまい。
楽天における田中将大もそうだ。
観客の大声援が、最後の最後まで
チューブの中の歯磨き粉を使い切るように、力を絞り出させるのだ。
最も自分を磨かなければいけない時期に、
2人は本当にいい球団に入ったと思う。
西武も「埼玉西武」に変わってから、
徐々に平均観客動員数を伸ばしている。
今年も、福岡ソフトバンク、北海道日本ハムに次いで
パ・リーグでは多かった。
トータルの観客動員数でも、
ホーム球場の収容人数が多いというのもあるが
東北楽天を上回ってさえいる。
だが、やはり楽天の方が地域に根差した一体感がある。
熱がある。
〜一流選手にふさわしい西武ドームの熱気が欲しい〜
一流選手には一流選手にふさわしい舞台というものがある。
ましてや清原や松坂のように高校時代、
超満員に膨れあがった甲子園球場の興奮を知っている者なら、
観客が半分にも満たないスタンドに寂しさを覚えるのも無理はない。
その昔、「清原は大舞台に強い」とか
「松坂は大舞台に弱い」と言われたように、
舞台が大きくなればなるほど気分が乗ってきたり、
また逆に気持ちが空回りしてしまっていたのは、
常日頃、ホームにしているグラウンドの環境が
影響していたのではないだろうか。
手を抜いていた、とまでは言わない。
でも人間など、そういうものだ。
人が見ていればいるほど力の水位は上がる。
また、人に見られている時の感覚を知っている者ほど、
誰も見ていなければ力の水位は下がる。
〜「世界の宝」菊池を西武の営業サイドがどう活かすか?〜
ユニフォームを着た西武のスタッフの優秀さはもうわかっている。
だから、「世界の宝」とまで言わしめた菊池の才能を
どこまで活かすかは、
それ以外のスタッフたち、営業サイドの人間の力に
かかっていると思うのだ。
菊池も超満員の甲子園球場の味を知っている選手だ。
かといってタイプ的に観客の多寡によって
力を調整するような選手でもない。
普通にやってさえいれば、それなりに力は出すだろう。
だが、我々は最高の素質を備えた選手が
常に100%の力を出すところを見たいのだ。
もっといえば、101%、102%の域に達する瞬間を見たい。
〜地域球団として埼玉県にしっかり根ざしたチームを!〜
それに必要なのは、地元の西武ファンの熱のこもった大声援だ。
過去、西武は清原、松坂というスター選手をつかみながらも、
それを永続的な球団人気につなげることができなかった。
3度目の正直だ。
今度こそ、地域球団として埼玉県にしっかりと根付かせて欲しい。
球団のためにも、菊池のためにも、野球界のためにも、
このチャンスを絶対に逃さないでもらいたいものだ。
〜筆者プロフィール 中村計〜
1973年千葉県出身。
ノンフィクションライター。
某スポーツ紙を経て独立。
『Number』(文藝春秋)、『スポルティーバ』(集英社)などで執筆。
『甲子園が割れた日 松井秀喜の5連続敬遠の真実』(新潮社)で
第18回(2007年度)ミズノスポーツライター賞最優秀賞受賞。
他に『佐賀北の夏』(ヴィレッジブックス)、
共著に『早実vs.駒大苫小牧』(朝日新書)などがある。
『雪合戦マガジン』の編集長も務める。
趣味は、落語鑑賞と、バイクと、競艇。
2009年10月31日 (土) | 編集 |
氏原英明 = 文
ドラフトは運命の一日である。
この日、プロを夢見る若者たちの運命が決まる。
昨年、阪神に1位指名された蕭一傑(しょう・いっけつ)は緊張で
「吐きそうになった」と吐露していた。
今年はいったいどんなドラマが待っているのか……
実は、彼らを追っかけている我々もその異様な雰囲気に
いつも緊張しきっているのだが。
プロには左打者に好打者が多い=左腕が欲しい!
「左腕はどれだけおっても、足らんよ」
ここ数年、プロのスカウトからそんな嘆きを聞くことが多くなった。
ただ、この言葉の本当の意味を履き違えてはいけない。
実は「左腕不足が深刻」ということではないからだ。
むしろ、こう言った方がいいだろう。
“プロには左打者に好打者が多い”
その事情は、
ことし2連覇を果たしたWBCを例に挙げてみても明白だ。
イチロー、川崎宗則、青木宣親、福留孝介、稲葉篤紀、
小笠原道大、亀井義行、岩村明憲、阿部慎之助……
と左の強打者がズラっと並ぶ。
例えば今年のパ・リーグにおけるリーディングヒッターを見てみると、
鉄平(楽天)や同2位の坂口智隆(オリックス)、
今シーズンにブレークした糸井嘉男(日ハム)や
長谷川勇也(ソフトバンク)も左打ち。
右打線を形成しているのは西武と中日くらいのもので、
阪神に至っては1番〜4番まで左打者だけで
組んでいたことさえあった。
「左」の好打者に対抗する投手をと考え、
スカウトたちは「左投手」の需要を口にしているに過ぎないのだ。
圧倒的な評価を受けた“待望の左腕”菊池雄星。
この春のセンバツ。
花巻東の菊池雄星が登場した時、
スカウトたちの鼻の下は大きく伸びたものだ。
「待ち焦がれていた左腕」として、
菊池の評価は群を抜いていた。
その菊池は6球団の競合になった。
彼の力量ももちろんだが、
さらに“左腕”に対する大きすぎる需要がそれを加速させているのだ。
菊池は抽選により西武が交渉権を獲得。
左腕の需要が高まる中、西武は大きな獲物をつかんだと言えるだろう。
とはいえ、今回のドラフトの注目は菊池の動向だけではない。
むしろ、菊池を意識しながらも他候補をどううまく獲得していくか……。
スカウトの眼力やチーム戦略が問われたのはむしろ
「菊池以外の選手」を見る目だったといえる。
〜菊池を逃した代わりに誰をとるのか?〜
各チーム戦略を検証。
菊池を逃した(回避した)代わりになる「左腕」をどう補てんするか。
さらには「左腕」に次ぐ需要として近年求められてきているのが
右打ちの野手だ。
「左打者」偏重に歯止めをかけたい、
という思いが各球団にも当然ある。
結果的にみると、今回のドラフトで左投手が指名されたのは13人。
右打者は18人だった。
プロが認めた数がそれだけだったということなのだが、
では実際にこの数を各球団でどう分け合ったのか?
戦力外となった選手を省いて、
現時点で左腕投手を抱えている数が最も少ないのは阪神で6人。
次いでオリックスの8人、楽天9人である。
球界全体の需要をより大きく感じているのはこの3球団であろう。
そして、分かりやすく行動したのはオリックスだった。
1巡目で菊池を回避すると、
九州の大学球界で名の知れていた古川秀一(日本文理大)を指名。
2巡目は右投手の比嘉幹貴(日立製作所)だったが、
3巡目に山田修義(敦賀気比)、
4巡目には前田祐二(福井ミラクルエレファンツ)、
5巡目には阿南徹(日本通運)と4人の左投手を指名した。
左腕不足のはずの阪神と楽天は、違う動きを見せた。
左投手という部分で、こだわりを見せたのが中日。
1巡目にこの夏の甲子園を沸かせた岡田俊哉(智弁和歌山)、
2巡目でも高校生左腕の小川龍也(千葉英和)の左腕を揃えた。
一方で、左腕不足の阪神と楽天はというと、
手薄な層を補充するには至らなかった。
菊池を外した阪神は1巡目で150kmを超す
ストレートが魅力の右腕・二神一人(法政大)を指名したあと、
2巡目で、地元・立命館大の左腕・藤原正典を指名した。
しかし、左投手は彼1人。
4巡目で右投手の秋山拓巳(西条)を指名している。
現在25人もいる右投手(左投手は6人)がさらに2人も
増えるのは左右のアンバランスさを加速させる。
ヤクルト外れ1位の中澤雅人(トヨタ自動車)や
オリックス3位の山田も狙えたのではないか?
楽天にも同じことがいえる。
9人しか左腕を抱えていない中、
さらに'05年の高校生ドラフト1位の片山が打者転向も
うわさされるというのに、左腕指名が今回ひとりも無かった。
ただ右打者という部分では、阪神の場合、
甲斐雄平(福岡大)、藤川俊介(近畿大)、
原口文仁(帝京)らを指名しているのが見逃せない。
足らない部分を補おうという姿勢が全くなかったわけではないのだ。
〜ロッテ・荻野、巨人・長野ら、右の好打者にも注目したい〜
菊池回避組では、右の好打者に的を絞ったのが目についた。
ことしの早い時期から長野の指名を確約していた
巨人はともかくとして、
今宮健太(明豊)を指名したソフトバンクと
荻野貴司(トヨタ自動車)のロッテには是非注目してほしい。
特にサプライズを感じたのはロッテで、
当日までの報道では「菊池一本」のはずが、
俊足好打の外野手・荻野の指名に踏み切った。
振り返ると、長野を昨年指名したのはロッテだったから、
「右の外野手」は補てん事項だったということなのだろう。
自チームの現状を冷静に把握しての菊池回避は、
彼らのプロフェッショナリズムを感じさせるものといえよう。
荻野で思い出すのは……
彼に陽がようやくあたり始めた頃の高校時代。
ロッテが熱心に彼を追いかけていた姿である。
「高校の時にロッテともう1球団が見に来てくれていたんです。
『指名リストに入れたい』と言っていただいたのですが、
本人が進学志望でしたからその時は実現しなかった。
大学で力をつけて、社会人に行って、
今年ロッテに指名していただいた。すごく縁を感じます」
とは、荻野の郡山高校時代の恩師・森本達幸氏である。
菊池雄星の動向に注目が集まった'09年ドラフト。
ここ数年の潮流である、巧い左打者を抑えられる
「左投手」と、左打線偏重を補う「右打者」の需要が高い、
という傾向は変わらなかった。
しかし、その中で若い野球人たちの運命は大きく揺れ動いた。
菊池雄星という巨星がために、
むしろ今年は各球団の戦略とスカウトの眼力がより
ハッキリ見えたドラフトではなかったか?
来年は世にいう「斎藤世代」がドラフトを迎える。
逸材があふれ返っているという噂もあるが、
「左腕」と「右打者」はまだまだ足らない。
来年のこの日をどんな気持ちで迎えるのだろうか。
これからの1年がまた楽しみである。
〜筆者プロフィール 氏原英明〜
1977年ブラジル生まれ。
奈良大学を卒業後、地方新聞社でのアルバイト勤務を経て、
フリー活動を開始。
高校野球を中心に活動を続けるが、
野球を通じた人間性、人生観を伝え続け、
Numberのほかに野球専門誌で活躍。
WEBの世界でも「人間力×高校野球」(高校野球情報.com)
と題したコラムを連載している。
ドラフトは運命の一日である。
この日、プロを夢見る若者たちの運命が決まる。
昨年、阪神に1位指名された蕭一傑(しょう・いっけつ)は緊張で
「吐きそうになった」と吐露していた。
今年はいったいどんなドラマが待っているのか……
実は、彼らを追っかけている我々もその異様な雰囲気に
いつも緊張しきっているのだが。
プロには左打者に好打者が多い=左腕が欲しい!
「左腕はどれだけおっても、足らんよ」
ここ数年、プロのスカウトからそんな嘆きを聞くことが多くなった。
ただ、この言葉の本当の意味を履き違えてはいけない。
実は「左腕不足が深刻」ということではないからだ。
むしろ、こう言った方がいいだろう。
“プロには左打者に好打者が多い”
その事情は、
ことし2連覇を果たしたWBCを例に挙げてみても明白だ。
イチロー、川崎宗則、青木宣親、福留孝介、稲葉篤紀、
小笠原道大、亀井義行、岩村明憲、阿部慎之助……
と左の強打者がズラっと並ぶ。
例えば今年のパ・リーグにおけるリーディングヒッターを見てみると、
鉄平(楽天)や同2位の坂口智隆(オリックス)、
今シーズンにブレークした糸井嘉男(日ハム)や
長谷川勇也(ソフトバンク)も左打ち。
右打線を形成しているのは西武と中日くらいのもので、
阪神に至っては1番〜4番まで左打者だけで
組んでいたことさえあった。
「左」の好打者に対抗する投手をと考え、
スカウトたちは「左投手」の需要を口にしているに過ぎないのだ。
圧倒的な評価を受けた“待望の左腕”菊池雄星。
この春のセンバツ。
花巻東の菊池雄星が登場した時、
スカウトたちの鼻の下は大きく伸びたものだ。
「待ち焦がれていた左腕」として、
菊池の評価は群を抜いていた。
その菊池は6球団の競合になった。
彼の力量ももちろんだが、
さらに“左腕”に対する大きすぎる需要がそれを加速させているのだ。
菊池は抽選により西武が交渉権を獲得。
左腕の需要が高まる中、西武は大きな獲物をつかんだと言えるだろう。
とはいえ、今回のドラフトの注目は菊池の動向だけではない。
むしろ、菊池を意識しながらも他候補をどううまく獲得していくか……。
スカウトの眼力やチーム戦略が問われたのはむしろ
「菊池以外の選手」を見る目だったといえる。
〜菊池を逃した代わりに誰をとるのか?〜
各チーム戦略を検証。
菊池を逃した(回避した)代わりになる「左腕」をどう補てんするか。
さらには「左腕」に次ぐ需要として近年求められてきているのが
右打ちの野手だ。
「左打者」偏重に歯止めをかけたい、
という思いが各球団にも当然ある。
結果的にみると、今回のドラフトで左投手が指名されたのは13人。
右打者は18人だった。
プロが認めた数がそれだけだったということなのだが、
では実際にこの数を各球団でどう分け合ったのか?
戦力外となった選手を省いて、
現時点で左腕投手を抱えている数が最も少ないのは阪神で6人。
次いでオリックスの8人、楽天9人である。
球界全体の需要をより大きく感じているのはこの3球団であろう。
そして、分かりやすく行動したのはオリックスだった。
1巡目で菊池を回避すると、
九州の大学球界で名の知れていた古川秀一(日本文理大)を指名。
2巡目は右投手の比嘉幹貴(日立製作所)だったが、
3巡目に山田修義(敦賀気比)、
4巡目には前田祐二(福井ミラクルエレファンツ)、
5巡目には阿南徹(日本通運)と4人の左投手を指名した。
左腕不足のはずの阪神と楽天は、違う動きを見せた。
左投手という部分で、こだわりを見せたのが中日。
1巡目にこの夏の甲子園を沸かせた岡田俊哉(智弁和歌山)、
2巡目でも高校生左腕の小川龍也(千葉英和)の左腕を揃えた。
一方で、左腕不足の阪神と楽天はというと、
手薄な層を補充するには至らなかった。
菊池を外した阪神は1巡目で150kmを超す
ストレートが魅力の右腕・二神一人(法政大)を指名したあと、
2巡目で、地元・立命館大の左腕・藤原正典を指名した。
しかし、左投手は彼1人。
4巡目で右投手の秋山拓巳(西条)を指名している。
現在25人もいる右投手(左投手は6人)がさらに2人も
増えるのは左右のアンバランスさを加速させる。
ヤクルト外れ1位の中澤雅人(トヨタ自動車)や
オリックス3位の山田も狙えたのではないか?
楽天にも同じことがいえる。
9人しか左腕を抱えていない中、
さらに'05年の高校生ドラフト1位の片山が打者転向も
うわさされるというのに、左腕指名が今回ひとりも無かった。
ただ右打者という部分では、阪神の場合、
甲斐雄平(福岡大)、藤川俊介(近畿大)、
原口文仁(帝京)らを指名しているのが見逃せない。
足らない部分を補おうという姿勢が全くなかったわけではないのだ。
〜ロッテ・荻野、巨人・長野ら、右の好打者にも注目したい〜
菊池回避組では、右の好打者に的を絞ったのが目についた。
ことしの早い時期から長野の指名を確約していた
巨人はともかくとして、
今宮健太(明豊)を指名したソフトバンクと
荻野貴司(トヨタ自動車)のロッテには是非注目してほしい。
特にサプライズを感じたのはロッテで、
当日までの報道では「菊池一本」のはずが、
俊足好打の外野手・荻野の指名に踏み切った。
振り返ると、長野を昨年指名したのはロッテだったから、
「右の外野手」は補てん事項だったということなのだろう。
自チームの現状を冷静に把握しての菊池回避は、
彼らのプロフェッショナリズムを感じさせるものといえよう。
荻野で思い出すのは……
彼に陽がようやくあたり始めた頃の高校時代。
ロッテが熱心に彼を追いかけていた姿である。
「高校の時にロッテともう1球団が見に来てくれていたんです。
『指名リストに入れたい』と言っていただいたのですが、
本人が進学志望でしたからその時は実現しなかった。
大学で力をつけて、社会人に行って、
今年ロッテに指名していただいた。すごく縁を感じます」
とは、荻野の郡山高校時代の恩師・森本達幸氏である。
菊池雄星の動向に注目が集まった'09年ドラフト。
ここ数年の潮流である、巧い左打者を抑えられる
「左投手」と、左打線偏重を補う「右打者」の需要が高い、
という傾向は変わらなかった。
しかし、その中で若い野球人たちの運命は大きく揺れ動いた。
菊池雄星という巨星がために、
むしろ今年は各球団の戦略とスカウトの眼力がより
ハッキリ見えたドラフトではなかったか?
来年は世にいう「斎藤世代」がドラフトを迎える。
逸材があふれ返っているという噂もあるが、
「左腕」と「右打者」はまだまだ足らない。
来年のこの日をどんな気持ちで迎えるのだろうか。
これからの1年がまた楽しみである。
〜筆者プロフィール 氏原英明〜
1977年ブラジル生まれ。
奈良大学を卒業後、地方新聞社でのアルバイト勤務を経て、
フリー活動を開始。
高校野球を中心に活動を続けるが、
野球を通じた人間性、人生観を伝え続け、
Numberのほかに野球専門誌で活躍。
WEBの世界でも「人間力×高校野球」(高校野球情報.com)
と題したコラムを連載している。




